無垢の力―「少年」表象文学論

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  • サイズ B6判/ページ数 261p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062116718
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0095

内容説明

近代日本文学の正統から排除された少年愛=自己愛の文化的系譜をたどり、「無垢」のイメージに託された価値と理論を現代に問う力作評論。

目次

序章 無垢の幻影
第1章 自己愛という不可能―折口信夫『口ぶえ』
第2章 弱くあることの権利―山崎俊夫『夕化粧』
第3章 憧憬の成立―江戸川乱歩『乱歩打明け話』
第4章 自己愛の破綻―江戸川乱歩『孤島の鬼』
第5章 断念の力―稲垣足穂『少年愛の美学』
第6章 不完全な青年―三島由紀夫『仮面の告白』1
第7章 押し隠された少年―三島由紀夫『仮面の告白』2
第8章 敗戦後日本の私設天皇―三島由紀夫『英霊の声』
終章 憧憬の行方―乙女・耽美・客体性の魅惑

著者等紹介

高原英理[タカハラエイリ]
1959年三重県生まれ。立教大学文学部日本文学科卒。東京工業大学大学院社会理工学研究科博士課程修了(価値システム専攻)。1985年小説「少女のための鏖殺作法」で第1回幻想文学新人賞を受賞。1996年評論「語りの事故現場」が第39回群像新人文学賞評論部門で優秀作となる
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

カザリ

1
大学のときの先生。お世話になった。2012/01/24

半朱

1
明らかに早すぎた。草食系や乙男といった捻れた存在が語られる今こそ、読み直されるべき時では。表現がやや硬いが、他の著作を既読の方ならば問題ないはず。ぜひ改訂、再版して欲しい作品。2009/09/23

amplecutter

0
面白い。乱歩「孤島の鬼」が原作の映画を以前見たけれど、こんな奇っ怪な文章で書かれていたとは知らなかった。この作家やあの作品についても読みたいなあと思った名前が後記に結構挙げられていて、今後の論考が出たらまた読んでみたい。2014/07/05

彩也

0
少年は、ただ「愛される/望まれる/欲望される」ために存在する「客体」である。そして、「少年愛」文学(「男色」文学でも「同性愛」文学でもない)は、無垢への同一化を求める「自己愛」の文学である。論じられるのは、折口信夫、山崎俊夫、江戸川乱歩、稲垣足穂、三島由紀夫。特に、足穂と三島の章は力作。「少年愛」文学の流れを汲むものとして、「ボーイズ・ラブ」を位置づけているようだが、最近のBLの傾向はむしろ「愛される」存在より、「愛する」存在を描くようになっている気がする。また、「男の娘」なんかも少年愛の延長線上かも。2012/03/20

イチノイ

0
近代文学のレポ―ト用に借りてきた本です。終章の道警の行方―乙女・耽美・客体制の魅惑が、なるほどーっていうまとめでした。2010/07/29

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