内容説明
人はそっくりな男を見てなぜこんなにも胸が騒ぐのだろうか。名優・坂田藤十郎の「そっくりさん」めぐる騒動を描いた表題作ほか、芸の世界に生きる者たちの、それぞれの人生を描いた会心作。
著者等紹介
松井今朝子[マツイケサコ]
1953年、京都生まれ。早稲田大学大学院文学研究科演劇学修士課程修了後、松竹入社。歌舞伎の企画・制作に携わる。97年、『東洲しゃらくさし』で小説家デビュー。同年、『仲蔵狂乱』で第8回時代小説大賞を受賞
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感想・レビュー
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renren
2
短編が4つ。タイトル作「似せ者」の紹介に惹かれて読んだので、ごくあっさりした短編だったのにはちょっと物足りなかった。しかし、「狛犬」と「心残して」、素晴らしい。二人の男の不器用な交流。意地と恥と嫉妬と思いやりと、複雑な感情が関係に絡んでくるリアルさ。特に後者、明治に向かう激動の時代に生きた唄の好きな下級武士の姿が痛々しく、好意を表現することすら控え、破滅をただ見守るしかない芸人の心の痛みと意地もまた哀れで、翻弄というほかない果敢ない生を生きた人たちの足掻きと切なさが胸に沁みる。佳作。2010/10/13
左近
1
人気役者のそっくりさん、名コンビとして二人まとめて扱われることに不満な片割れ、名優の引退宣言に振り回される興行主、長唄が得意な武士と知り合った三味線弾き。芝居の世界に生きる人々を描く全4編。男に先立たれる女が必ず登場し、陰影を添えている。「あなた様は、生きておられる分だけ、死んだお方よりも、ずっとずっと、ご立派でございます」「負けるのを承知で戦って、潔く死んでいった。人は何がえらいといって、それほどえらいことはない。しかし、何が馬鹿だといって、それほど馬鹿な話はない」月並みかもしれないが、やっぱり重い。2013/12/17
星落秋風五丈原
1
一世を風靡し、亡くなった名優坂田藤十郎の世話をしてきた 団栗の与市が、役者評判記を書く庄左衛門に「藤十郎そっくりの男、桑名屋長五郎に二代目藤十郎と名乗らせては」と、持ちかける。失敗すれば元も子もなくなり、成功しても、「本人の芸は、物真似で間に合わせられるほどのレベルだったって事だ」と言われ名優の名に傷がつくような行為を、なぜ行うのか。「似せ者」長五郎の行く末と並行して、もう一人の「似せ者」 の行為が描かれた時、役者の業に振り回された人達の「似せ=偽」 ではない本物の感情が解き放たれる。2004/02/11
いちとにとやまと
1
短編集。余韻の残る、大人の味わい。2011/06/27
penguin
1
図書館。芸事に生きる人達を描いた短篇集、なのかな。「鶴亀」の老芸人の生き様が格好良くて、芸を極まるとはこういう事なのかもと思ったりです。 芸に魅入られた人たちの、欲、迷い、妬心、誇り等が淡々と語られ印象深い一冊でした。 2011/03/06
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