ぐずべり

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  • サイズ B6判/ページ数 164p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062113304
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

揺らめく少女の時間。硬く脆い殻の中。少女の機微を清冽に描く。

著者等紹介

清水博子[シミズヒロコ]
1968年6月2日北海道旭川市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸専修卒業。97年「街の座標」で第二一回すばる文学賞受賞。2001年『処方箋』(集英社)で第二三回野間文芸新人賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

rinakko

12
再読。素晴らしい。清水さんの少女文学。懐かしい痛みが途切れることなく襲ってくる。「亜寒帯」では13歳の藍田の一日が描かれ、表題作では中学生の理子(従姪)とAA(藍田)の交流やAAと従姉菜子の過去、彼女らの係累にまで話が及ぶ。体温計を渡されて親殺しの妄想に見舞われる中学生の藍田に、きゅっと胸がつまった。極寒の街の冬、教室での決まり事(日直は一日に何度も教室と石炭庫を往復する)も、元学校嫌いにはきつい話だ。でも「ぐずべり」でのAAは、風変わりではあるけれど面白い従叔母さんになっている。彼女に流れた時間を思う。2016/08/25

あ げ こ

9
なあなあが基本。うやむやが基本。ごっちゃになって、訳がわからない事。誰も見分けようとしないし、正そうともしない。諸々一緒くたにしたまま、けれどずるずる引きずる。変にこだわる。無駄に押し付けてくる、が基本の付き合い。七面倒くさいの極み。そんな基本を嫌がって、それを基本とする中に溶け込む事を嫌がり続けて生きにくそうにしている人の方が、そりゃ気になるに決まっている。難しくても不毛でも、紐解こうとしている人の方が。不機嫌に、あまりうまいとも思えないやり方で抵抗し続けている人の方が。一緒にいて楽しいに決まっている。2018/03/01

ひゆり

2
彩りや温度が丁寧にかかれているのに、それを感じさせない、いい意味で深く沈んだような小説。思春期の歪みとありふれた日常の不協和と、亜寒帯の描写の中で、いくつもの過去や未来を往来するのもまた不思議な感覚となった。2015/02/07

きたうら

0
一篇目の「亜寒帯」では、北海道と思しき寒冷地帯に暮らす繊細かつひねくれた女学生として描かれた主人公・藍田が、表題作では藍田亜子(AA)として、ひねくれはそのままに、係累たちからいい意味でも悪い意味でも一目置かれる存在として生きているのがよかった。特に従姪である理子が「亜子ちゃん」と呼んで懐く様子に、普段なにをしてるのかわからない(けど勝手に慕っている)親戚感というか、乗代雄介の書く「阿佐美景子もの」の源流とも言えるような、従姪と従叔母の連帯を感じて面白かった。2025/05/14

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