出版社内容情報
少女の物語は兄の死により静かにはじまった死んだはずのお兄ちゃんを目にしてからというもの、フランシスの窮地を救うよかのように、彼が姿をあらわす……。悲しみの気配ただよう美しい物語。 一般
内容説明
少女におとずれた突然の兄の死。ポケットにつっこまれた手、立ったままのジャケットの襟、櫛を入れてないくしゃくしゃの髪。手を伸ばして、お兄ちゃんにさわれたら…。悲しみの気配ただよう、美しくひっそりとやさしい物語。
著者等紹介
アルバーグ,アラン[アルバーグ,アラン][Ahlberg,Allan]
1938年、イギリスに生まれる。サンダーランド教育大学を卒業し小学校の教師に。処女作の“Brick Street Boys”シリーズにはじまり、『ゆかいなゆうびんやさん』シリーズ(文化出版局)や、『だれも欲しがらなかったテディベア』(講談社)など、公私ともにパートナーであった妻のジャネット・アルバーグと共同で、絵本や童話を数多く創出している
こだまともこ[コダマトモコ]
出版社勤務を経て、児童文学の創作および翻訳を始める。東京都在住
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パフちゃん@かのん変更
46
両親が亡くなり親戚のおばさんの家で暮らす3人の兄弟。ところが兄のトムが事故で亡くなり9歳のフランシスと3歳のハリーだけになってしまう。マージおばさんは生まれたばかりのハリーも含めて3人の子を引き取って育ててくれたのだから、意地悪な人ではない。ただ暮らしにゆとりはなく、昼も夜も働いて苦しかったと思う。幽霊になったトムが妹弟を助けてくれる。特に、川に落ちたフランシスが助かったのはトムのおかげだ。幽霊だけれど、怖いことはなく、フランシスはとても頼りにしていたことがわかる。ハッピーエンドでよかった。2018/05/03
くさてる
14
やさしくせつなく、でもちゃんと怖いところもあるジェントル・ゴースト・ストーリー。両親を亡くし、親戚のもとで兄と弟と暮らす、小児麻痺の女の子。いつも頼りにしていた兄が事故で亡くなり哀しみにくれる彼女の前に兄が戻ってきたけれど……という展開。ラストがほんとうに良かった。後に表紙を見ると、その意味がさらに身に染みる、良い幽霊物語でした。2025/02/12
みやび
11
すでに親は亡く、親戚に育てられている10歳のトムも事故で亡くなって、寂しく過ごす9歳の妹と3歳の弟の前に、トムお兄ちゃんが現れる。。今は大人になった妹の思い出話として、「こんなことがあったんですよ」と、お兄ちゃんに助けられたことを優しく語っています。お兄ちゃんが愛犬には気づいてもらえなかった時や、いつの間にかお兄ちゃんの背を妹が抜いてしまった時は涙が出ました。でも美しいお話。表紙も素敵。2019/07/11
ちょび
3
読んでて心が温かくなりました。2014/09/01
まー
2
涙はなかったものの、最後はさわやかでよかったかな。2007/12/29