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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
井月 奎(いづき けい)
16
藤田嗣治の絵は孤独が形を成しているように見える。エゴン・シーレともファン・ゴッホとも違う。狂気からのものでもなければ、画業に打ち込んでの副産物でもない。漆黒で、限りなく細い線にかたどられた女性は彼独特の淡い乳白色に彩られて美しいが、その視線は遠くに焦点を結び鑑賞者へうったえることはない。悲しみに打ちひしがれた人が、その訳を話そうと口を開いたその刹那に言葉を飲みこんでしまい、もう、二度と口を開かぬような、果てしのない孤独。しかし、その絵を見るのは愉楽である。孤独の絵で愉楽。なぜだろうか、時間のみ過ぎる。2015/07/21
ヘタ
15
得意なことで貢献したら、それはいけないことだったのだとか。巡り合わせ、不運を嘆くしかない..... なんて簡単にすませられないよね。人生一回きり。お前らこそ恥を知れと言いたいでしょうな。2018/09/06
Foufou
7
藤田の父は軍医総監で、かの森鷗外の後任。画家を志す息子の進路について相談を受けた鷗外は、まずは東京美術学校で学ばせることを勧める。かくいう鷗外は、当時の洋画の中心人物だった黒田清輝を排他的として嫌っていた。それでもまずは日本で学ぶことを推したのは、寄らば大樹の陰、将来ある若者を慮ってのことだったらしい。果たして藤田は黒田と衝突する。印象派の亜流のコランに学んだ外光派の黒田は「黒を使うな」(正岡子規は紫派と揶揄)。そして藤田は積極的に黒を使う。黒田が藤(=紫)を使えと言えば、藤田が黒を使うというこの皮肉。2019/10/17
NагΑ Насy
2
図書館で。2011/06/15