内容説明
酒と食をこよなく愛し、中国各地に美味佳肴を探訪する英文学者・でふ氏こと南蝶氏は、敬愛する恩師の喜寿を祝って大宴会を企画。八年前に催した「満漢全席」に続き、南宋宮廷の名高い祝宴「寿宴」を再現しようという未だかつてない試みだ。押し寄せる不況の波を振り切って、でふ氏一行は食都・杭州へ飛んだ―。「満漢全席」では飽き足らない!南宋皇帝の伝説の大宴がよみがえる知られざる美味の世界へご招待。
著者等紹介
南条竹則[ナンジョウタケノリ]
1958年東京生まれ。東京大学大学院英語英文学修士課程修了。作家・英文学者。1993年『酒仙』(新潮社)で第5回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
miroku
5
チャイニーズは奥が深い。食材の豊富さ・・・っていうか、ほんと、何でも食べるよなぁ。2011/06/25
蕎麦
3
初の南條竹則さん。読書メーターかどこかで、酒に関する面白い文章を書く人だと紹介されていたのを見て読んでみた。中華料理の中でも宮廷で出されたような豪華な料理を豪快に食う作者とその仲間たちがただひたすら羨ましい。2024/04/17
梨姫
3
前作「満漢全席」で、本場中国大陸で宮廷料理・満漢全席の宴会を開催した著者。今回は、懲りもせず再び満漢全席を計画する。グルメ小説の体裁をとった紀行文であり、相変わらず全然聞いたこともない中華料理は、なぜかファンタジーの世界の食べ物のようにも見える。著者たちが、舌包みを打つ音が聞こえてくるようだ。我々日本人からしたら、本当にそんな食材食べられるのと躊躇するものまで。徹底した贅沢は、文学の材料にもなるのかもしれない。著者の中国愛がひしひしと伝わってくる。2010/07/26
いけきょう
2
2015年年末に図書館でまとめて借りた著者の本のひとつ。前に「満漢全席」を読んでおり、「寿宴」はその続きのようなお話。著者をほうふつさせる「なんでふ氏」を中心に、とりまく人々もひとくせあってどこか可笑しい。「秦檜」は中華ものではよく出てくる人・嫌われ者であるが、現在でも像につば吐かれるくらい嫌われ者の象徴みたいになってるのがおかしく、それを秦檜側から描かれているのも面白い。この著者の中華小説は、すっと読めてなんとなくおかしみのあるところが、とても良い。2016/01/09
Bibbidi*
1
とても自分では実現できない宴や料理の数々で、半フィクションとしても旅行記や体験記として十分面白い。 もとから裕福な生まれっぽいけど、人生のどこにお金をかけるかは人それぞれだなぁ。 死ぬまでに一度はお金を気にせずカロリーも気にしない最高の中華食べてみたいね。2014/05/11