内容説明
死の向こうに新しい希望を見出して旅立っていった恵美。治る見込みが薄れ、死を覚悟してからの彼女は、残された日々を精一杯生きた。自分の三六年の生命が、無駄ではなかったことの証をしているような真剣さだった。
目次
プロローグ 愛する子どもたちへ「ありがとう。ごめんね」
第1章 最後の二週間
第2章 藤井恵美として過ごした日々
第3章 出会い、そして結婚
第4章 がんと向き合って生きる
第5章 生命の質を高める生き方
第6章 別れの時間の作り方
エピローグ 遺されたノートから―子どもたちへ
著者等紹介
藤井礼子[フジイレイコ]
1940年東京生まれ。東洋英和女学院短期大学保育科卒業と同時に、日本福音ルーテル教会の牧師(藤井浩)と結婚。夫とともに最初の赴任地熊本へ。21歳で長女・恵美が誕生。’64年ブラジル伝道の宣教師として任を受けた夫と家族で渡伯し、7年後に帰国。その後、田園調布、大森と移り、現在は小田原に在住
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感想・レビュー
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ぶんこ
27
ガンで娘を亡くした母が書いた本。娘が小学生になる頃、ブラジルで伝道牧師として働く夫を助け、多忙を極めていた。娘の将来を考えてではあったが、600キロ離れた全寮制の学校に入れました。その事が、娘が病気になってはじめて、娘の心の奥で、親に愛されていなかったのでは、弟や妹には手をかけてあげてるのに、どうして自分には手助けしてくれないのか・・ずっと苦しんでいた事を明かされる。その娘には、9歳と7歳の男の子が残される。 辛い抗ガン剤治療を止め、生きる質を高める生活をしようと決意し、在宅ホスピスで最期をむかえました。2014/08/28
詩子
1
★★★★奇しくも、読み終えた瞬間病院から危篤の電話がかかってきた。がんを受容するのは難しいけど、この人はキリスト教があったから受け入れやすかったのだと思う。おしうり宗教はきらいやけど、宗教によって救われる人がいるのはモリー先生でも感じたし、日本人は宗教心に乏しいから苦悩も多いのかもしれん。まぁ、わたしは宇宙のエネルギーそのものが大いなる存在だと思っているので、あるいみ宗教家なのか。これはガンになった本人のお母さんが書いた本だからガンを告知された家族が読むと心を少しは落ち着かせてくれると思います。ガン関係の2012/03/25