内容説明
会社は閉める。俺の事業は失敗した。兄から引き継いだガラス工場は、売り払って整理するはずだった。だが、元エリート商社マンは、物作りの復権に再起の夢を賭けた。新境地を拓く企業恋愛小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
detu
30
同族の中小企業、硝子加工会社の再建を託された主人公。再建などする気もなく整理解散を目論んでいたものの、工場の一部を借りてガラス工芸を制作していた女性作家と関わる毎に徐々に考え方が変わって行く。真剣に会社再建を目指すこととなる。精密硝子の蘊蓄も興味深いし、バブル崩壊後の下町工場の有り様もリアル。『下町ロケット』と『島耕作』を混ぜたような話だったけど、面白かった。 2018/06/27
しーふぉ
19
企業小説ですね。分厚さを感じさせないのは流石です。中弛みせずに読ませられた。ガラスアートを見てみたくなりました。2023/11/04
マリメッコ
2
経理の吉沢京子さんが1番よかった!2017/04/29
Ryan
2
個人的には余分なストーリーがあったけど、十分面白い。敢えて言うと、カバーの写真の意味が良く分からなかった…2016/11/30
koba
2
件の作家にこんな作品があったとは、ちょっと驚きと感銘。出だしは池井戸潤の企業ものを思わせ、一気に読み進む。さほど興味がなかったガラス工場の再建に目覚め、次々と営業先を新規開拓する展開にわくわく感。しかし女工芸家の存在が煩わしい。ガラスに興味を持つきっかけになったとはいえ、不倫場面が多すぎ良質の作品の駄作にしている。兄貴の怒鳴り込んできた場面や透子が襲われた場面も全く不要。もっと事業展開や資金繰りなどのことを書き込んでほしかった。★三つ。2014/08/30