内容説明
逃げ来たる女の背後にひそむ謎。青年和三郎の正義感と野村市助のユニークな眼差が光る新しい時代ミステリーの秀作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
14
舞台は鎌倉の東慶寺。逃げ込んでくる女の子細を探ると意外なドラマが浮かび上がった。影十手を追う忍びの和三郎と寺役人の市助が悪党必殺の構えで大活躍する。短編「尼首二十万石」に続く、鎌倉の駆込寺・東慶寺を守護する忍びの裔・和三郎らが活躍する連作短編集。 東慶寺に駆け込む女たちの身を案じ、役目を超えて気遣う寺役人・野村市助と、市助に成り代わって陰働きする門前餅菓子屋の倅・和三郎は、名コンビと言って良いでしょう。その二人に加えて公儀御庭番の娘・紀乃も引き続き登場します。2004/05/14
としえ
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レビューを書いてなかったために再読。一年経つと忘れている話も多く、面白く読めた。和三郎の、何かにつけて手際の良いところや、市助の人の好さが、読んでいて気持ちがいい。この時代、ろくでもない亭主に泣かされる女性も多かったことだろうと思うし、こうして東慶寺に駆け込んでこれる女性はまだ幸せなほうなんだろうなとは思う。それでも、それだけで好しとせず、今目の前にいる人を一生懸命救おうとする和三郎たちの姿勢に惹かれる。2012/11/19
としえ
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妻からの離縁は許されない時代にあった、女人救済のための縁切寺・東慶寺。寺の御用宿の一つ、餅菓子屋は代々東慶寺を密かに守る忍びの家系で、その息子の和三郎が主人公。寺役人の市助とともに、駆け込んできた女人達の、本当の意味での救済の為に骨身を惜しまない様を書く、短編五話。どの話も嫌いじゃないが、ほっこりした感じで終わる『血煙因縁坂』と『白浪反魂丹』が好きかな。ちらちら出てくる和三郎と紀乃のお互いへの感情は、あっさり書かれすぎていてときめくような感じはないし、むしろこういう描写は無くてもいいのでは?って気がした。2011/10/10
mitsuru1
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鎌倉の駆け込み寺東慶寺の隠し忍び和三郎の活躍、連作五短編。2009/05/09
あいべきん
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お話としては分かりやすく、非常に面白かったです。で、影十手って誰のこと?焼芋さんじゃなくて、和三郎でいいんですよね?2022/12/26