内容説明
逃げる猫と岳飛軍の遺児の運命は?胸のすく痛快武侠活劇の秀作。桂花かおる港市、臨安(杭州)の二貴公子。巨魁秦檜に挑む!臨安は刺激の強い街だった。白日賊といわれる詐欺や盗賊が常に横行して、扇情的な話題には事欠かなかった。「猫を、外へ出すんじゃないよ。絶対に、出すんじゃないよ」その老人は、毎朝家を出る時に、かならず奥に向かってそう念をおした。杭州が臨安と呼ばれるようになってしばらくたつが、住宅事情は悪くなるばかりで、その日暮しの庶民が城内に一軒家を持つなど、夢のまた夢。その老人も数階建ての家の一階の一部を借り、妻とふたりで暮していた。最初、同居人たちはその女を、老人の娘だと思っていた。それほど年齢が離れていたのだが、狭い家の内のこと、ふたりの会話は自然にはいってくる。女が北から避難してくる途中、家族と生き別れ、老人に救われて妻になったということまで、ひと月たたないうちに、その家の全員が知るようになった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
15
時代は宋。北方は金という別の国であった。 皇帝が金国に連れ去られ、難を逃れた息子が即位して皇帝となるが金では認めず、かいらい政権をたてようと図る。 金の侵攻を食い止めた岳飛将軍は、和議派の陰謀で死刑になってしまう。和議派の先峰である秦檜は太師の位を得ていた。臨安で水運業を営む夏家の当主でけんかっ早い資生と、そのいとこで、もの静かな風生は、屋根の上にあがった猫をめぐってある男と争ってから、暗殺計画に巻き込まれてゆく…。逃げる猫と岳飛軍の遺児の運命は?1999/06/18
コギコギ555
1
中国南宋時代が舞台のお話。歴史上の人物が出てきたり、史実に絡めたできごともあったりで、なかなか興味深く読むことができた。読み終えて、夏家のみんなは、この後逞しく新天地で生きていくのだろうと思うも、ちょっとハッピーエンド過ぎるような気もしないでもなかった。2015/06/05
めっちー
0
十二世紀半ばの南宋を舞台にした武俠小説。夏家の風生という青年は、従兄で夏家の当主の資生と共に夏家を担っていた。ある日宦官の張太監から、謀殺された岳飛の隠し財産を真偽を探るように頼まれて…。岳飛や宰相の秦檜といった実在の人物や事件を、秦檜を狙う文卿の敵討ち等を絡めて書いてるが、中国史に詳しくないのでよく理解出来ないまま読み進めた。風生が実の父の岳飛を秦檜らに殺されたのに仇を許したり、あまりに先読みが出来たりと、完璧人間過ぎて感情移入出来なかった。色々失ったが新天地でもやり直して行けそうな明るい終わりだった。2023/03/09




