内容説明
妻と別れ、勤めを辞めた大日向陽太郎の前に突然現われた男・呉竹良房。かつて一緒にスペインを放浪したこの男は、連れてきた少女を、大日向の娘だと言う。
感想・レビュー
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ukitama
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初めて読んだ作者なので、その文のスタイルには戸惑った。視点が予告なく飛び回るのには、筋を追う中で結構苦労させられた。推敲のうえ、敢えてこのようなスタイルにされているのでしょうけれど、意図するところはわからなかった。 「ジブラルタル」という名に惹かれて読みましたが、あまり必然性は無かったですね。というか、スペインである必要も無いし、それらに対する描写も雑だなーっという感じでした。「北回帰線」の説明にあったような、谷崎の「細雪」的なアプローチかと期待したが、それには、ちょっとスケールが小さいと感じた。2021/09/09