白い心臓

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  • サイズ B6判/ページ数 418p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062095839
  • NDC分類 963
  • Cコード C0097

内容説明

新婚旅行のハバナのホテルから始まる、愛と秘密と殺人の物語。女がささやく言葉の謎!現代スペイン文学の秀作。

著者等紹介

有本紀明[アリモトトシアキ]
1940年、神戸市に生まれる。スペイン、ナバラ大学博士課程修了(文学博士)。天理大学教授を経て、現在、中京大学教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

215
新婚旅行のハバナのホテルから始まるミステリー。現代スペインの香りはひどく甘美で心地よい。作品が放つ色彩が女の登場により、なぜか赤の色調を帯びて見えるのはなぜだろうか。主人公ファンが一人称で語る父ランスの人生は危うげで心ざわめく…作品の主題は「秘密」らしいが、知りたくなかった秘密を知ってしまった私の心の風景は錯綜していて困惑する。父ランスが抱えた秘密とは何だったのか。生涯三人の妻をめとりながらその真実を語ろうとしない父…妻ルイスの立ち位置が面白いのだが…最後は不可思議で煙に巻かれてしまった、そんな印象だった2015/11/28

まふ

112
スペインのノーベル賞候補作家による一種不思議なミステリー的心理劇。インパクトのある出だしで期待を持たせる。が、読み進むにつれて一種異様な言葉遣いと「余計な」話題にページをとられて読みにくいことこの上ない。例えば同じ文章の中で、自分の父を「ランスは」と言ったり「父は」と書いたり紛らわしい。物語が進行しているのか後退しているのかさえも不安になる。が後半になり一気にズジが読めてきてそれなりの納得感を持つことができた。もっと素直に、スカッと書けないものかなぁ、とさえ思ったりした。G1000。2024/02/10

どんぐり

82
スペインの作家の作品。通訳の仕事をしている男が主人公。冒頭の場面は、主人公がこの世に生まれていない頃、伯母が心臓に銃弾を撃ちこんで自殺。ここから過去と現在をつなぐミステリアスな展開を期待するものの、場所も時制も登場人物も混じり合いながら何の話をしているのかわからぬまま進む。「会話、物語、宣言、通訳、コメント、噂話、告白」など、秘密めいた話が語られるものの、真実が見えてこない。この小説のわかりにくさが、もし訳文のせいだとしたら著者にとってはとても不本意だろう。マリアス、もう読まないよ。2021/11/16

NAO

81
新婚早々結婚生活に対して得体のしれない災いの予感を感じるようになったフアン。それは、父が言った言葉に端を発していた。この話のテーマは、語られる事実はいつも常に正しいのか、ということだ。ずっと隠されてきたことには、隠されてきただけの理由がある。そして、それを誰かが語ったとき、それは、果たして本当のことだったのかどうか。【第50回 ガーディアン必読小説1000冊チャレンジ】に参加しています。2019/07/12

nakanaka

79
解説にもありますが脱線や余談の類が多く慣れるまでは読みにくかったのですが、最終的にはまとまりがある作品で面白かったです。世界的に評価を受けた文学作品というのも納得でした。再読したくなる作品でいずれ購入したいです。父親の過去というあまり知りたくないようなことが話の中心になってくるわけですが、本人によるの告白のシーンは引き込まれました。また友人ベルタとの共同生活の章も面白かったです。夫婦間や親子間であっても秘密にしておくべきこともあって然るべきと実感しました。奥が深い作品です。2017/02/17

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