内容説明
債権回収を担当していた同僚が死んだ。謎の言葉と、不正の疑惑を残して。彼の妻は、かつて「私」の恋人だった…。先端企業への融資をめぐる大銀行の闇に、私は一人、挑む。第44回江戸川乱歩賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
初美マリン
128
ついに手を出してしまった池井戸潤、銀行業務のことはわからないのにテンポよくすすみ面白かった。しかし犠牲者がこんな多いなんて。2021/03/17
nyaoko
86
池井戸潤デビュー作にして、江戸川乱歩賞作品。まさに重厚感溢れるミステリーでした。ここから半沢、花咲舞シリーズと銀行を舞台にした物語に繋がったのねぇ。まさに、この作品は彼の原点です。孤高の銀行マン伊木、絶対イケメンだと思う(笑)出来れば彼の続編も読みたかったな。組織に埋もれないアウトローな主人公って男性読者にはたまらないんだろうなぁと思いました。あ、勿論私も好きですよ。2016/01/17
kazu@十五夜読書会
48
元銀行員の池井戸さん1998年のデビュー作。ハードボイルドミステリー銀行小説です。銀行の融資課で融資を担当する主人公伊木。ある朝、同じ融資課で債権回収担当の同期・坂本が伊木に向かって「これは貸しだからな」と謎の言葉を残して回収に出かけ、アレルギーで急死した。銀行内部の調査で坂本の不審な送金が見つかり、仕事を引き継いだ伊木は、かつて融資を担当していた会社の倒産の原因と坂本の急死の関連を疑う、調査始めた伊木だが、関係者・上司が次々と不審の死を遂げ伊木にも危険が迫る...。友人・恋人の為伊木の奮闘が肝。2013/04/02
kiyoboo
35
これが池井戸さんのデビュー作。銀行員が主役なのにサスペンスとハードボイルドのテイストが備わった作品だった。江戸川乱歩賞を受賞しただけあって謎解きの楽しさがある。蜂アレルギーで急死した同僚が業務上横領の容疑が掛かったので足取りを追うところからスタートする。行内にはスパイ、外では常に見張られ、刑事までに疑われる。自分のことだけを考える犯人が巧妙に殺人を重ねていく。アウト ローな伊木に言う先輩のセリフがいい。「そもそも会社組織というものに向いていないんだ。だから銀行には必要なんだよ」すでに半沢は誕生していた? 2015/07/08
さら
33
銀行と殺人て結び付かない印象があったのですが、考えてみれば一番生々しい欲、お金を扱っている所だもの、事件ありますね。 作者が銀行にお勤めだったので、内部の細かな描写にそうなのかと勉強になりました。 ただ、銀行の人間がそんなに死傷するのはやっぱり異常だと思いますが ^^;2014/01/25