内容説明
普遍的な応答責任と日本人の一人としての政治的責任、戦争の記憶の亡霊性と継承可能性、事実を認めジャッジメント(判断)を下すことの必要性…。記憶、証言、責任についての明晰な思索から、台頭するナショナリズムの代表的言説を鋭く批判し、「慰安婦」問題から日の丸・君が代問題まで、「国民国家」日本の枠組みそのものをラディカルに問い直す。
目次
1 戦後責任を問い直す(「戦後責任」再考;記憶・亡霊・アナクロニズム;ジャッジメントの問題)
2 ネオナショナリズム批判(日本のネオナショナリズム1―自由主義史観を批判する;日本のネオナショナリズム2―加藤典洋氏「敗戦後論」を批判する;ネオナショナリズムと「慰安婦」問題)
3 私たちと他者たち(汚辱の記憶をめぐって;哀悼をめぐる会話;日の丸・君が代から象徴天皇制へ)