内容説明
おしゃれ犬プードルの我慢と本音は?人間が卵を食べてしまうことをニワトリが知ったら?ヒキガエルのイボイボは何を意味するのか?虐待されても人間に近づくゴキブリの不屈の精進とは?フラミンゴはスーパモデルの生まれ変わり?キリンと星空を眺めたら?など、ぼくたちの心の奥にうず巻く生き物たちへの素朴な、とても素朴な疑問。そして彼らのかくされた生活と意見。
目次
クマ―永遠の友だち
セキセイインコ―音声・語学習得のエキスパート
フラミンゴ―スーパーモデルたちの孤独
アカシカ―愛しのノロちゃん
ヒツジ―ウール革命を待ちわびて
クジラ―大いなる胃袋へのご招待
ハイエナ―意外な狩りの名人
ニワトリ―人口卵工場ができるまで
ヒキガエル―一妻多夫制の悲劇
ニシン―未知との遭遇・海底編〔ほか〕
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日曜日のクマの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
135
アクセル・ハッケとミヒヤエル・ゾーヴァのコラボによる大人向けの作品です。昆虫からクジラまで作者の興味を引いた動物たちなどについての小説というかエッセイのような小文集でちょっと皮肉っぽい観点から書かれたものもあり楽しめました。やはり私の好きなゾーヴァの絵がついているものが面白いですね。2019/10/08
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
118
どこまで真実でどこからが創作なのか? アクセル・ハッケ&ミヒャエル・ゾーヴァのコンビによる不可思議な『博物学入門』。ダーウィンをはじめ様々な本からの引用があって、訳者によるとそれらの文献は実在するらしい。フラミンゴはヅラを被ったおじさんを見分け嫌悪する。お伽話好きの人間のせいで性的パニックに陥ったヒキガエルの性。平和のシンボルでありながら害鳥として憎まれているハトの複雑な事情。愛するパートナーを抱きしめられないペンギンのジレンマ。クジラの章では反捕鯨派として日本に厳しいメッセージも。1998年7月初版。2016/02/13
greenish 🌿
71
お洒落犬プードルの我慢と本音は?人間が卵を食べることをニワトリが知ったら? 心の奥に渦巻く生き物たちへの素朴な疑問を解き明かす、情緒溢れる博物学入門エッセイ ---人間社会への風刺に飛んだ表現ながらどこか可笑しみや温もりを感じさせ、これぞアクセル・ハッケ!と思わせる物語と、まるで図録を見ているかのような、ミヒャエル・ゾーヴァのリアリティに飛んだ挿画が印象深い。生き物の生態にへー!と関心しつつも、大人になった私たちの凝り固まった既成概念をスイッチ&フォーカスさせてくれるこの発想の転換・・・恐れ入りました!2014/02/26
キジネコ
54
彼らの事を動物たち…と呼んでみて その距離を特別なものに変えてしまったのが誰なのかと、問いました。はじめ面白く やがて哀しい物語。作家の葛藤の奥行と悲嘆を思うとき 読者は 忘れてしまっている優しさについて 考えねばならないと 強く感じます。26と1種類の動物 そして創造主、神、ダーウイン。真実か虚構か、の問いは最早無意味。神を気取って世界を俯瞰し語る蘊蓄の厭らしさに恥じ入ります。人は神の代人だと云うのは甚だしき思い上がりなのです。柔らかなユーモアに包んで届けられた彼らの声は私達と違って命の事に正直でした。2017/03/16
ひほ
40
ゾーヴァの絵が気に入って借りたら今までの物語っぽいのでなく、ハッケのいろんな動物の『情緒あふれる博物学入門書』でした。いろんな本などから考察を加え独自の発想を加えた一冊。時についていけない発想もあったけれどそういう見方もあるのかと気づかされる部分も。やわらか頭が必要となってきます。2016/04/20