珍妃の井戸

珍妃の井戸

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  • サイズ B6判/ページ数 318p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062089333
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

列強の軍隊に制圧され、荒廃した北京。ひとりの美しい妃が紫禁城内で命を落とした。四年前の戊戌の政変に敗れ、幽閉された皇帝・光緒帝の愛妃、珍妃。事件の調査に乗り出した英・独・日・露の四人の貴族たちを待っていた「美しい罠」とは?降りしきる黄砂のなかで明らかになる、強く、悲しい愛の結末。長編歴史ミステリー・ロマン。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヨーイチ

32
図書館本。「蒼穹の昴」続編。時代区分でゆくと義和団事件(映画・北京の五十五日とか柴五郎が活躍した)で井戸に落ちて死んだとされる珍妃の謎を追う羽目になった、英、独、露、日の外国人達が関係者に訊問、インタビューすると云う、一人称を主体とした中編。以上、上手く要約出来た筈だが、それでも分かりにくい。「蒼穹の昴」を引っ張りだす事になる。それでいて歴史の裏を垣間見せて呉れるかと云うと、実はそれほど大事件では無かったりする。西太后と光緒帝の人物像は浮かび上がる(この長い物語でこのプロットは重要)。続く2016/06/27

藤枝梅安

30
「蒼穹の昴」と「中原の虹」の間奏曲のような作品。義和団の乱に乗じて八カ国連合軍が北京を制圧し、光緒帝と西太后は西安に脱出を図る。そのさなかに後宮で帝の寵愛を一身に受けていた珍妃が井戸に落とされて死亡した。2年後、とある舞踏会で4人の外国人に声を掛けた女性がいた。通称はミセス・チャン。彼女は2年前の珍妃殺害事件の真相を隠匿するのは連合国の権威に傷をつける行為だと告げる。こうして英国海軍の提督、ドイツ帝国の大佐、ロシア公爵、東京帝国大学教授の4人が2年前の事件の真相解明に乗り出す。関係者を訪れ話を聞く。2010/09/14

Yuna Ioki☆

18
1952-172-93 蒼穹の昴シリーズ第2弾。義和団の乱後のストーリー。珍妃の死の真相を探ると同時に明かされていく列強の清国への蹂躙。この時代の中国は内乱だけでなく外敵からの脅威に晒され続けていたのだろうな。フィクションとはいえある程度史実を追っているはず。動乱続きの中国は生活も大変だったんだろうな。1840年アヘン戦争以降、1989年の第二次天安門事件までの役者150年間でぼろぼろになったんだろうな。2021/08/27

よりとも

13
英.独.日.露の4人の貴族が、「誰が珍妃を殺したか」を調査していく話。聞き取りをした関係者がそれぞれの思惑のため、違うことを証言する。どれが真実でも珍妃の最期は悲惨だなと思ったが、最後の珍妃の言葉を読み、そのような強い想いで死んでいったのなら救われる(小説の中だけだが)。光緒帝の証言のところでは、載沢とミセス・チャン、なかなかやるなと思った。2016/01/25

ちゃこ

12
【初出 『小説現代』1996年12月号〜1997年8月号】 『蒼穹の昴』に続く中国歴史シリーズ第2弾。 1902年(光緒28,明治35)、英国海軍提督・ソールスベリー,独の北京駐在武官・シュミット,露清銀行総裁・ペトロヴィッチ,東京帝国大学教授・松平忠永の4人が、1900年に起きた義和団事件の西安蒙塵に先立つ「王妃(珍妃)殺害事件」の真相を探る。 関係者のトーマス・E・バートン,蘭琴,袁世凱,瑾妃,劉蓮焦,溥儁,光緒帝の語る"真実"はそれぞれ異なっていて…。 (続→)2013/12/15

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