出版社内容情報
ラーべは、日中戦争当時、南京でドイツジーメンス社の支社長をしていた人物で、日本軍が南京に迫ると、他の在南京外国人と語らって、南京市内に在留外国人と中国人居留民と難民の為の非武装安全地帯、南京安全区国際委員会を作り、その委員長を務めた人物である。その安全区は、わずか二里四方ながら、「大虐殺」が起きた期間中、身を寄せた外国人のすべてと中国人二十五万人を守り抜き、「南京のシンドラー」と言われた人物である.....。(立花隆『ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術』185頁、より)
内容説明
「南京のシンドラー」とよばれ、中国人を救おうと奔走した一人のドイツ人。南京事件の全貌が記された彼の日記が、今歴史の封印を解かれた。吹き荒れる暴力の嵐の中、彼は一体何を見たのか?決定的な歴史的証言が今までの「南京論争」をひっくり返す。
目次
ラーベの日記とその時代
ラーベの日記(迫りくる砲声;南京安全区国際委員会の結成;日本軍入城/残虐行為のはじまり;荒城の新年;荒廃する南京;南京との訣別)
帰国後のラーベ
ヒトラーとラーベ
ヒトラーへの上申書
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おたま
18
原題は『The Diary of John Rabe』。ドイツ人ジョン・ラーベの1937年9月21日から38年2月28日までの日記。彼はその頃、中国の南京にいた。そして南京事件を目撃する。彼の立場は極めて微妙だ。当時のドイツは中国国民政府に対して軍事指導者・顧問を送っていた。と同時に日独防共協定を結び、日本とも同盟関係を結んでいた。かつ国内ではナチス(国家社会主義ドイツ労働者党)が実権を握っていた。そこから、ジョン・ラーベは特別な位置をもつことになる。まだ中立を守っていた南京在住のアメリカ人やイギリス人⇒2021/07/07
金吾
13
日本軍の南京攻略前後数ヵ月の日記の抜粋です。当時の状況を考察する参考になると思います。2020/10/03
takao
2
ふむ2023/05/08
衛門亮
2
古本屋で偶然見つけ、ここ数年話題に上る割りに知らないなぁ、と軽い気持ちで読了。善良であろうとなかろうと、戦争という異次元ではこういうことが起こりうる、という側面は、戦争を知らない我々も知っておくべきなんだろうなぁ。2014/10/26