内容説明
家族も友人も棄てて、親友が突然消息を絶った。彼から届いた10枚の葉書には、風景画のほか何も記されていない。この風景をたどれば、あいつの居場所がわかるかもしれない―そんな思いに駆られ北海道へ来た男の、風景を探す旅が始まった。著者が初めて挑む、吹きわたる風のような長編ミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
40
わ~お・・・誰も読んでいなくて緊張します。北海道を舞台にしたロードミステリー。自然豊かな景色を利用したミステリーで道内をドライブしたような気にさせてもらいました。内海さんの作品は2冊目ですが、ちょっとラブをかけたミステリーも手掛けるんだぁ…と前回読んだ作品との違いに内海さんの作風の幅の広さを感じました。前半は固い印象があったのですが、やはり登場人物同士の心の交流が生まれ始めると物語も固さが引っ込み読みやすくなった気もします。春が来たら・・・海を見にドライブに行きたくなりました。2011/11/21
咲
2
この日は、いつにも増して北海道熱が盛り上がりを見せ、図書館に行き、北海道が舞台になった本をいろんな棚から宝探しみたいに探し当てて借りてきて、お茶の湯を沸かすのさえ本を片手に、片っ端から読んでいった。本書は、深夜の零時も過ぎてから、睡眠導入剤にでもと軽率に読み始め、やめられなくなり、結局、最後までいっきに読み切ってしまった。翌日の仕事などブレーキにならなかった。面白い。とても面白かった。「10枚の絵葉書に導かれて北海道中を旅するロード・ミステリー」と帯で謳われたまさにその通りに、北海道中を走り回るのだった。2023/03/17
しんこい
0
友人が描いた風景をたどって北海道をめぐり様々な人に触れ合う話と思って読み始めたら、意外や失踪した友人の足跡をたどるうち、殺人の疑いがつきまとい、脅しをかける黒い影があらわれというサスペンス風の作品でした。2012/12/26