内容説明
複雑系の鍵はコンピュータ・シミュレーションが握っている。柔軟な頭脳から創出されるバーチャル・ワールドは、リアル・ワールド以上にリアルな世界を描き出すからだ。スーパー・ボール、ピカソ、西洋音楽、言語発生、天気予報、国際紛争、市場経済、交通渋滞、人工生命などなど、コンピュータ・シミュレーションによる夢多き複雑系研究の最前線をレポートする。
目次
第1章 バーチャル・リアリティ
第2章 創造性豊かなプログラム
第3章 意外性の科学
第4章 人工世界へ
第5章 複雑系の回廊
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シロクマとーちゃん
3
コンピュータのなかに世界をつくる。いわゆるシミュレーションの世界。複雑なものを単純化して再現する。それは、単に、似て非なるものを作っているにすぎないのか?それとも、普通には理解できない複雑な現象を理解するための糸口なのか?スポーツ、交通渋滞、神経回路、株式取引など、さまざまな応用について解説している。ちょっと、消化しきれない量ではあるが、いずれも数式抜きで説明されているので、とてもわかりやすい。2016/01/29
yasu7777
2
★★★☆☆ 稲沢3285-132022/01/08
まさなる
0
古い本だが内容は今でも遜色ない。一つ一つは単純なルールで構成されているが中規模の集団になると予想し得ない結果がもたらされることがある。それには物理学で言う不確定性原理にも似たような解決不能な難しさがあるようだ。複雑系についてはじめて読んだが、幅広い分野につながっていて、着目するトピックも多く、所々関連分野を調べたりした。コンピューターに興味があれば読んでおいて損はないと思う。2017/08/15