内容説明
史上初!アメリカ人の芥川賞候補!上海の女、毛主席が破壊した米外交官の家。アジアの巨体な歴史に揺さぶられるひとりの白人少年―日本アメリカ中国を越境する新しい世界文学の傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
瀬希瑞 世季子
2
”日本とアメリカで過ごした大人の人生の前の、大陸の陰に浮かび、大陸を睨んだ島での少年時代の輝かしい記憶すら、大陸の陽光の下で消滅させられてしまいそうな気がして、自分の歩く姿がまわりの生者と死者にまったく無関係な、もう一つの繊細な影となった。”2021/08/17
芋煮うどん
1
北京越境記、は天安門のデッサン的な作なのだろうか。大変興味深く読んだ。濃やかな、中国、そして日本への思いをひしひしと感じたが、残念ながらこれは日中英、三つの言語を理解できないと(中英はさわりだけでOK)読み下すことが難しいのではなかろうか。まあそこが良さでもあるんだけど2014/03/20
篁
1
万葉集の英訳で知られる作者だからか、「天安門」は非常に複雑な修飾の構造をしていて、短い作品なのに読むのが時間がかかった。敢えて読みづらい構文にすることで立体感を出そうということなのかな。 その後のエッセイの途中までが内容をわかりやすく書いていてくれてありがたかった。実は違ったのかもしれないけど。 153P 講談社2011/09/25
水留
1
正直、違和感しか覚えなかった。中国語に日本語でルビを振っても、それが中国語として理解できるわけではないし、そのルビも実際に聞こえるような音とは違っている。感覚としては面白く読めたが、表現方法としては非常に不満をおぼえた。2009/11/16
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