犬と鬼―知られざる日本の肖像

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  • サイズ B6判/ページ数 392p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062081016
  • NDC分類 302.1
  • Cコード C0036

内容説明

数々の文化遺産、美しい国土、すぐれた教育制度、世界一の個人貯蓄。それらがありながら、なぜ日本は道を踏み外すのか?『美しき日本の残像』(新潮学芸賞)の著者による衝撃的日本論。

目次

国土―土建国家
治山・治水―災害列島
環境―ステロイド漬けの開発
バブル―よき日々の追憶
情報―現実の異なる見方
官僚制―特別扱い
モニュメント―大根空港
古都―京都と観光業
新しい都市―電線と屋上看板
鬼―モニュメントの哲学
「マンガ」と「巨大」―モニュメントの美学
総決算の日―借金
国の富―お金の法則
教育―規則に従う
教育のつけ―生け花と映画
国際化―亡命者と在日外国人
革命は可能か―ゆでガエル

著者等紹介

カー,アレックス[カー,アレックス][Kerr,Alex]
1952年米国メリーランド生まれ。1964年に初来日し、1966年まで父の関係で横浜の米海軍基地に住む。1974年エール大学日本学部卒業。日本学を専攻、学士号(最優秀等)取得。1972年から1973年まで慶応義塾大学国際センターでロータリー国際奨学生として日本語研修。1974年から1977年まで英国オックスフォード大学ベイリオル・カレッジでローズ奨学生として中国学を専攻。学士号、修士号取得。日本、アメリカ、ヨーロッパ各地で日本と東アジア美術に関する通訳、文化コンサルタント、執筆、講演を行う。20回に及ぶ自筆の「書」の展示会とイベントを日米で開催。1986年から1993年までトラメル・クロー社の日本代表を務める。クロー社と日本の機関投資家との投資、共同開発の企画を担当。1998年、写真家メーソン・フローレンスと「ちいおりプロジェクト」を発足。祖谷を中心にした「日本の田舎の保存、文化と自然の活性化」が目的。著書『美しき日本の残像』で1994年の新潮学芸賞(外国人初。2000年に朝日文庫に)受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヒュンフ

13
この本のおかげで戦後の近代史を理解しやすくなりそう。日本のパラダイムは明治以降の強国・貧民志向。官僚制による箱物と規制の嵐、飛ばし等の技術、建設業との癒着、産業拡大を重視して増えない年収、狭く断熱が悪く素材が悪い家屋、戦争時のヒロポン投与や餓死の多さ、60年代で止まった仕組み、教育投資の少なさ等、あげればキリがない。昔から労働者や兵士に異様に冷たい理由は富国強兵でなく、強国貧民だからだと腑に落ちた。 しかし需供関係を考えれば片側のみを強化するのがそもそも間違っていたんじゃないかという今日が目の前にある。2022/09/20

テツ

5
外国人である著者が自分自身の目で見た日本の駄目なところを挙げながら、これでもかとばかりにこき下ろしている。それでもそこまで腹が立たずに読めるのは指摘がいちいち的を射ているからなんだろうな。日本というシステム全体を俯瞰しながら全てを調査研究する姿勢からは愛すら感じる笑 確かに日本は総幼稚化しているとは思うけれど、これって先進国ならば大小あれど全ての国が抱えている問題な気はするなあ。誰にでも手に入りやすい娯楽が溢れかえる社会では、精神の成長も鈍化していくだろうと思う。それが必ずしも悪い事だとは思わないけれど。2015/07/09

takao

3
残念な日本2016/12/27

kanaoka 57

3
2002年初版本。日本批判として当初評判がよく無いと聞いていたが、読んでみて極めて正論。いま振り返っても当時の状況を悲しいくらい正しく示していると思う。想えば、あれから10年以上過ぎ、状況も変化してきたと感慨深い。財政悪化、少子化はどうしようもない所まで来てしまったが、日本人の意識はかなり変わってきている。これまでを真摯に反省して、将来に少しでも良いものを遺していく時代を作り上げていきたいですね。2015/08/04

里のフクロウ

3
17章、376ページにわたり日本のダメなところ、劣っているところを挙げている。国土建設・環境・情報・官僚制・都市景観・財政・教育制度・国際化・改革...ほぼ全てのジャンルにわたってダメだしだ。それもそれぞれ当を得ている。しかしここまで完膚無きまでに言われると反抗心が湧いてくる。そもそもあらゆるジャンルにわたり、すなわち全体を俯瞰して体系的に調査観察、そこに統一した精神を見いだすことをしているが、それこそが西欧的見方で、局所的で猥雑で何でもありの日和見が日本の良さだと、半ば開き直ってしまったのは自虐か。2014/09/28

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