内容説明
女流文学賞作家安西篤子が描く、武家の若妻の愛の歓びと苦悩。
感想・レビュー
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山内正
2
新之助は二月振り国元に帰る 一年前祝言を挙げたばかり 家に帰り母に挨拶すると 妻のおきわは子細あって親元へ 帰した そなた一筆離別状を書けと この家児玉の家風に合わぬと 母は取るに足らぬ点を挙げ連ねた 一月が経ち母は事ごとに離別状を 書けと迫る 父が新之助が産まれ二年して死ぬ 埒が明かず上司に話すが 心得違いと窘められた 半年して母は変わった 夜に庭に出たら母は男と話合って るのを見て駆け寄る 明くる日上司は母の縁組の話と詫びを言った 一月して妻を里から呼び戻した 入訳を聞き妻は笑った2019/07/27