内容説明
北海道の大雪山に氷河期の昔から代々生き続けてきたナキウサギ。岩の上で瞑想し、小鳥のような声で鳴く彼らの不思議な生態。今、彼らの棲息域にも開発の波が押し寄せている。この小動物のことをもっと知ってほしい、2人のカメラマンが愛情をこめて綴る写真集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
153
神々の庭にこだまする鳴き声。降り積もる雪の下、半年以上も続いた冬は終わった。澄んだ空気を感じているのだろう。空を見つめている。ひと足早く咲いた春が迎えてくれる。氷河期につながった大陸を自由に走り回り、ここに宿ってくれた。岩の下で生き延びた。今までは致命的な天敵がいなかったことが救いとなったのだろう。写真から響く音、風、光。夏毛が輝き、香り立つ。写真集でありながら、生態にも詳しくなれる一冊。広い大地の中、ここでしか生きていけないナキウサギ。私たちが自然の中を歩くとき、足下には小さな生物がたくさん棲んでいる。2024/05/25
遠い日
11
北海道大雪山のナキウサギたちの写真集。岩の影、地下で暮らすシーンが多いため、その生態はまだまだ謎に包まれているという。うさぎなのに丸い耳が愛らしい。一見ネズミのような体型もかわいらしい。望遠で遠目に撮った写真が多いということは、それだけ過敏な生き物なのだろう。冬眠せずに蓄えたエサで、厳しい冬を乗り切るというナキウサギ。夫婦であっても縄張りは別々というのも興味深い。2017/09/13
tm
10
図書館で何回も眺めてた本。写真で今も謎の多い氷河時代からいるエゾナキウサギの生態を語っています。ネズミに見えるかも知れませんが、ウサギさんの仲間です。空気の綺麗な岩場でしか生きられない儚くも逞しいカワイイウサたん(^^)!特にチングルマという花を食べてる姿や越冬用に食料を運ぶ姿などは、汚れたハートをズッキュンされます(笑)YouTubeで見ると尚更カワイイ!ピュイ♪ピュイピュイ♪♪2019/03/03
うなぎ
6
ブックオフ。アニメのゴールデンカムイが始まったらナキウサギ需要が上がるのではと慌てて購入!冬ごもりの為に、すでに春からせっせと草花を巣穴に運んで干し草にして蓄えたり、大好物の小さな黄色い花を風車みたいにくるくる回して食べたり、喉がかわいたらキノコをかじる姿はまるでリアル絵本の世界に出てくる動物のよう。しかし、軟便を乾かしてからムシャムシャするツラはオッさんにも見えて衝撃。けど、可愛い生き物だ!2018/04/04
ぱちょ
4
ほんとにこの写真集大好きで図書館で数えきれないほど借りてます。もう買うか。売ってるのか?2016/02/25