秘密

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秘密

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  • サイズ B6判/ページ数 267p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062063067
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

りつこ

42
結婚する機会があったのに結婚を選ばなかった、あるいは選べなかった女性の物語が4話。自分の生い立ち故に結婚はしないと決める女性の頑なさ。その一方で押し切られたり断りきれなくて別の相手と結婚してしまう男たち。「毀れた絵具箱」「遠い華燭」は何ともいえず嫌な感触が残る物語(でも嫌いじゃない)。「雑踏」「秘密」は苦さもあるけれどふわっと笑ってしまうようなところがあってとても好きだ。面白い作家さんだなぁ。復刊されるといいなぁ。2020/01/23

竹園和明

41
鮮烈な印象を残す訳ではないが染み込むような読後感が残る著者の作品にはやはり引き込まれてしまう。平成初期に書かれた4作品。情景描写など松本清張的な昭和テイストが何となく懐かしい感じ。結婚という選択肢が人の一生に大きな意味を持つ事は事実だろうが、ここに登場する女性達はそれぞれの理由から結婚を選ばない。結婚は人生の節目のひとつではあってもそれを選ばないのもひとつの選択だ。「秘密」を読むのは2度目だが、素子の奥ゆかしい生き方は素敵。しかしラストで明かす森下への素子の揺らぎは何とも切なかった。崩れてもいいのに…。2020/02/27

けいこ

38
あえて結婚しない女性たちの短編集。どの話も妙に昭和感が漂い、低いテンションで描かれる。一見地味で初(うぶ)でか弱そうなのに、実は芯が強くて曲げない女性たち。その理由は様々だったけれど、結婚よりあいまいな関係だからこそいいって事もある。それが人には言えない関係だとしても。何故か読み終わるのに時間がかかり、レビューを書くのも読み終わってからだいぶ後。いい意味で読むのに疲れた。これが純文学ってものなのかなと思った1冊。2021/02/17

Kumiko

33
これは…黒尋子か?ストーカーチックな男や、結婚をじらしまくる女が出てくる。当然相手は想いを拗らせ事態はよからぬ方向へ向かう。私自身実体験はないはずなのに「この感情…なんか知ってる」が押し寄せるように描かれている。著者のあとがきがいつも含蓄があり良いのだが今回もまた例にたがわず深い。多田さんはきっと色んな感情を知っておられる。あらぬ状況で、これ以上進むべきではない相手がいらしたことがあるのかもしれない(邪推)。でなければここまで俯瞰して描き、こんな所で話を落としたりしないだろう。2020/02/07

ゆきらぱ

32
読み友さんの感想でどうしても読みたくなり図書館に問い合わせたら閉架から出してくれました。とても良かったし、どれも良かった。90年代初頭が初出なのですがもっとクラシカル感じ。そしてありがちではなくて独特の味がある。洗練されているのに生活感があって面白く、読みたい方多いのでは?一冊復刻版があるらしいですがどんどん復刊してほしい。2020/02/10

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