内容説明
韓国と日本。二つの国、二つの言葉に引き裂かれながら、懸命に生き抜くことを意志した、魂の証し。20歳の手記から絶筆「石の声」に至るまで、民族、家族、言語、芸術、舞踊など、様々な問題に立ち向かい、37歳で夭逝した李良枝の全文章を収録した決定版、全一巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sakadonohito
12
未完となった最後の著作とエッセイを先に読んでから小説読み始めたら私小説のようなものが多く、それが設定の使いまわしに感じてしまいちょっと萎えた。その殆どが在日朝鮮人である自身のこじれて歪んでしまった自意識過剰的アイデンティティのせいで自ら進んで不幸の道を進んでしまっているように思えるストーリーだった。一方で在日朝鮮人の当時の状況を考えれば似たような感情を持つ人もいただろうとも想像できた。芥川賞に選ばれた「由熙」は空気感がとても良かった。ぶちまけるような初期作とは逆の隠して感じさせるような雰囲気でした。2023/01/22
MIU
1
すごい作家になったかも、とても残念2016/05/23
モーリス
0
おもしろい
辻薫
0
「由熙」「石の聲(一〜三)」2020/02/25