内容説明
幕末の萩城下を背景に、少年高杉晋作の夢と野心と、烈しいヴィタ・セクシュアリスとを描く青春の詩篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Vier
2
これはw 方々で『奇書』『キワモノ』扱いされてるんでどんなんかと思ったら想像以上。笑い過ぎて腹が痛えよ!! あんまりにもあんまりな設定と超思考の連発にボーゼンですわ。このインパクトは普通じゃない。ただこの時代、無かったとは言い切れないところが恐ろしいな……もしご本人が本当にマジでこんな奴だったら卒倒するけどw 取り敢えず晋作のキモさは半端ないとだけ言っておく。寧ろこれが大丈夫なら他のどんな長州系作品も大丈夫じゃないかという気すらしてきたw 因みに自分はこれ、めっちゃ面白かったよ! もう笑い止まんないw2010/10/23
moji
1
高杉晋作という少年の話。秀三郎に恋心?というか、清いものをみるような、救いを求めているような、そんな姿が印象的。少年行というタイトルは古詩からとっているようで、少年の詩と言い換えれるらしい。この作者は初めて読んだけど、少年の未知のものへの好奇心や行動力がすごくかかれているなと感じた。 新鮮な驚きや美しさ、汚さ、ひとつひとつに感情が揺れ動いて行く。少年は全てを受け入れて進んで、かつて焦がれたものへの戦慄を失って大人になっていったんだな……2021/08/15
めっちー
1
高杉晋作は共に明倫館に通う少年、秀三郎に恋をする。戸惑いながらも彼が気になり…。晋作の少年時代の話で、時代小説と言うよりは青春小説という感じである。若い時の恋の瑞々しさが書かれてて、行為を含む性的な目覚めや、目まぐるしく変わる社会情勢により大人になった事で、晋作の少年時代は消えて行く。高杉晋作が主役の作品だが、師の吉田松陰が中盤まで出て来ない上、影が薄いのは、珍しい事だろう。関門脱出=胎外脱出という見方は面白いな。あとがきで「必しも厳密に史実に依っていない」と書いているので、フィクションと見るべきである。2017/12/16
まーく
1
南條範夫先生の色物歴史小説の中でも、特に異色と言われる一作。どんなもんかと思って読んでみましたが、これは…(絶句) いや、決してつまらなくはなかったです。むしろ青春小説としてはなかなかの秀作? 表現に富んだ思春期の心情描写が面白く、読後感には清々しさがあります。読んでいて変な笑いもこみ上げてきます。 しかしこれ、歴史小説と呼んでいいものか…ただ歴史上の人物の名前を借りただけの創作(あるいは心理描写の妙な生々しさを見るに、私小説的な面も?)という感じ。作者自身、敢えて史実を無視したとあとがきで述べてるし 2015/11/21
三田郎
0
高杉晋作、久坂玄瑞のBL。と言うか、秀才高杉の美少年久坂に対する一方的な思い、の方が正確だろう。きめ細やかな青春の一人称に思わず引き込まれるが、あくまでフィクション。何を読まされているのだろうとふと我に帰ることがある。周囲の女人、世界の変革、そして久坂に翻弄されながら自慰を卒業し少しづつ成長していく描写への共感性は非常に高い。2024/09/01