カトリーヌとパパ

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  • サイズ A5判/ページ数 124p/高さ 22X16cm
  • 商品コード 9784062057684
  • NDC分類 K953
  • Cコード C8097

内容説明

ひとり娘のカトリーヌの友だちを通じて、なんとか上流社会にコネをつくり人生の成功へ望みをかけようとするパパ。でも一体、パパはどういう仕事をしていたのだろう。父と娘の、気楽で明るくほろ苦い日々。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

334
今のニューヨークから、30年前のパリが回想される。モディアノに共通する「失われた時」の物語。ただし、ここでのカトリーヌの語りは、不安や悔恨ではない。ローティーンまでを過ごしたパリ10区への郷愁である。パパの共同経営者だったカストラドさんや、バレエ教室の仲間だったオディールなど、ここに登場する人たちは読者にさえ懐かしさを喚起する。「二つの世界を行き来する」カトリーヌとパパの物語。ペイネを想わせるジャン=ジャック・サンペの挿絵も、フランスムードに溢れていて、この物語にピッタリ。パリを存分に堪能できるお話だ。2014/11/21

とりあえず…

24
カトリーヌという「少女」の目を通せば、1950年代のパリのまだ混沌としたところも、いい具合にエッセンスとなる。つんとしたカストラドも、素性を隠すバレエ教師も、こどもの頃の思い出ファルターを通せば面白味溢れる人達だ。その後、彼らはアメリカに渡るが、これはあくまでフランスをフランスらしく描いたエスプリの効いた一冊。 この本は娘が書店にて「ノーベル文学賞受賞」の帯に惹かれ児童書の棚で手にとった。彼女にはこの本をしっかり理解はできないかもしれない。(つづく)2015/06/09

ソングライン

14
1950年代のパリ、アメリカに戻ったママと離れ、パパと二人で暮らす少女カトリーヌ。彼女が通うバレエ教室のロシア人を装う先生、詩人でもありつづり字を教える口うるさいパパの共同経営者のカストラドさん、突然会えなくなってしまったバレエ教室の友達オディール、今は娘もできパパとママとニューヨークで暮らすカトリーヌ、懐かしくも切ないパリの思い出たち、モディアノお得意の過去への旅を満喫です。2023/06/29

星落秋風五丈原

13
フランスの1945年生まれ。カトリーヌとパパをめぐってパリの下町に展開する甘くてほろ苦い人間模様。カトリーヌのママはアメリカ人のダンサーだがパリでの暮らしになじめなくて、アメリカに帰ってしまっている。パパは怪し気な事業に手を出しては失敗ばかり。見栄っ張りの夢想家だが憎めない人物。二人を取り巻く登場人物達はいかにも都会の下町らしく、したたかでなまぐさい人間達ばかり。1993/05/15

ぱせり

13
物語のすべてが、少し紗がかかったようなぼやけた色に見える。だってめがねをはずして見ている世界だから。もう少ししたらめがねをかけなくては、ちゃんと見なくては。いやいや、やめておこう。だって、これは過ぎてしまった想い出。このまま大切に取っておきたい世界だから。 2015/07/06

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