内容説明
宣長・秋成・篤胤から八雲・柳田・熊楠・折口らに至る思想の流れを、その言霊・他界観に光を当て再検討する異色の日本精神史。
目次
1章 よし刈るあし
2章 篤胤の柱
3章 「かくり世」と「かくれ里」
4章 御杖のともし火
5章 鳥の言葉
6章 八雲の耳
7章 蓬莱と心宮
8章 明治の神仙世界
9章 山のユートピア
10章 王仁の暗号
11章 象徴の森
12章 歌の死滅
13章 霊魂の行方
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
武井 康則
8
幕末外国の脅威の元で賀茂真淵、本居宣長、平田篤胤の系譜が国学を創始し、やがて歪んだショービニズムとなって、戦争遂行にも利用されるわけだが、あいうえお50音図の韻の並びに神秘を感じてその法則性に霊を感じ、やがて誰も定義できない言霊などと言われていく。そんな日本語と日本、日本人を考えた流れを追っている。日本人の死生観として天国でも極楽でもない他界など、なるほどと思う。登場するビッグネームなら柳田国男、南方熊楠、折口信夫、出口王仁三郎、明治の文豪など。2025/05/18
PETE
0
本居宣長の国学に由来する「言霊」という概念に付きまとう起源の偽装のいかがわしさを慎重にかわしながら、戦前の文学までのたましいの問題と取り組む論考集。富士谷御杖の妖しい言霊論の中から、現代の文学論にも通底する言語観をえぐり出すところ、折口信夫の「和歌の死」の議論は白眉だった。2021/06/07
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