さらば〓東夢明かり―泥鰌庵つれづれ草紙

さらば〓東夢明かり―泥鰌庵つれづれ草紙

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  • サイズ B6判/ページ数 123p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784062048057
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

すでに日本の敗色の色濃い狂乱の第2次大戦下。その厳しくも空しい自分なりのありのままを生きた一介の元、指物師の遊び人、政っつぁんこと荒巻政五郎なる人物を主人公とした、ある種の小説的(?)画文集とでもいっておこうか…。限りない郷愁をこめて贈るご存じ泥鰌庵こと滝田ゆう書下し画文集。

目次

あけぼの荘の住人たち
裏町雨模様
玉の井事件
軍靴の響き
奇妙な関係
タンビ主義
寂しい江戸っ子
太く短く
ラ・クンパルシータ
非常時宣言
玉の井御殿
お雪のまぼろし
悪所通い
移り香
職人根性
民男の事情
蘭子と珠江
1憶1心火の玉だ
縁日の夜
赤紙
冷たいお粂
さらば玉の井夢明かり

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

剛腕伝説

12
滝田ゆう、最後の単行本。自らの死を悟っていたのか前口上で『墨東玉ノ井界隈への一人合点の総括』としている。墨東綺譚のヒロイン・雪子に思い入れのある主人公・政五郎の墨東でのあれこれを描いた小説的画文集。 もちろん、小説としては拙いが、玉ノ井界隈の淫靡で退廃的で何故か懐かしい雰囲気を良く表している。 挿入画がモノクロなのも、作者最後の作品らしくて良い。2024/03/20

ワッピー

9
荷風界の側面からアプローチ。漫画家滝田ゆうの生まれ育った寺島町は、荷風の『墨東綺譚』当時に重なっています。飲んだくれで、ろくでなしの職人政五郎の視点を通して、戦争当時の玉の井界隈の雰囲気描写。当時の空気をかぎ取ろうと手に取りました。下町の混濁・人情・人生遠投の雰囲気が横溢していて、時代を超えてわけもなく懐かしくなりました。マンガ本編の『寺島町奇譚』にも手を伸ばしてみようと思います。 2018/10/25

moonanddai

6
個人的にはまだしつこく「玉ノ井」です。「小説的(?)画文集」とはなっていますが、滝田さんの少年時代、戦争末期を舞台とした「(ほぼ)実話」なんでしょう。今回はそこに荷風さんの後ろ姿もちらほらしています。まあ、「小説的」と断っていますが、「濹東奇譚」あるいは「永井荷風」は、玉ノ井の人たちの、なんというか「誇り」みたいなものだったのかもしれません…。滝田さんは「これで濹東奇譚からは足を洗う」みたいなことを書いていますが、文字通りの「遺作」となってしまいました…。2020/10/09

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