内容説明
「恋愛」は人生を変え、そして支える最大のものである。たとえそれが現世的には失敗に見えても、窺い知れない秘密がある。愛のエッセイ16篇。
目次
不倫の恋に殉じた悲劇の女―トルストイ「アンナ・カレーニナ」
男を罪に誘う官能の女―フローベル「ボヴァリー夫人」
純真無垢ゆえに落魄する女―モーパッサン「女の一生」
不実で可憐、純情不貞な女―アベ・ブレヴォー「マノン・レスコー」
優しい性愛の深淵で安らぎを得た女―ロレンス「チャタレイ夫人の恋人」
歓楽の生活を捨て真実の恋に死ぬ女―デュマ・フィス「椿姫」
此の世ならぬ狂気の愛に憑かれた女―エミリイ・ブロンテ「嵐が丘」
地上的肉欲を拒み不可能な恋に死ぬ女―アンドレ・ジッド「狭き門」
男の情熱と野心に征服される貞淑な女―スタンダール「赤と黒」
献身的に愛しすぎて男に疎まれた女―コンスタン「アドルフ」
情熱のない性愛の無意味にめざめる女―マルグリット・デュラス「モデラート・カンタービレ」
鳥籠の中の生を拒み自由を求めて飛ぶ女―トルーマン・カボーティ「ティファニーで朝食を」
反抗の夏が過ぎて悲しみに残された少女―フランソワーズ・サガン「悲しみよこんにちは」
女蕩らしの男を真の恋に生きさせる女―チェーホフ「犬を連れた奥さん」
不思議な情熱に誘われて夫を殺そうとする女―モーリヤック「テレーズ・デスケルー」
25歳年下の青年と愛欲の生活に溺れる女―コレット「シェリ」