感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たか
44
岐阜県禁男の山中で、坐女が生んだ女の子が民俗学研究の学生によって連れさられた。その後、村の男が殺され、坐女は殺人犯として服役する。村人たちは『イチミコサマの呪い』と呟くのであった。 そして23年後、再び山中で謎の殺人事件が…。 主人公のルーツ探し(自分探し)の物語を展開したもので、主人公の心情はよく書けていて、そのひたむきさに感情移入できるが、江戸川乱歩賞受賞作にしては、少々期待ハズレ。D評価2020/09/22
きさらぎ
20
第30回江戸川乱歩賞受賞作。探しまくって、いつもと違う図書館でやっと発見! 過去の乱歩賞受賞作の中でもひときわ評判が悪いのは知っていた。ハードルが低かったせいか、それほどひどいとは思わなかった。30年前ということを考えるとこんなものかと(笑)…まあ、作者に都合よく事が運びすぎというのは否めないが… ただこの回は、かの東野圭吾さんが初めて乱歩賞に応募し最終選考に残っているので、選評が非常に興味深かった。東野ファンとしては、デビュー前の東野さんの評価に大興奮!それだけでこの本を借りてよかったと思った。2014/12/25
KJ
3
民俗信仰が非合理的思考でも現実社会に強い影響力を有する限り軽視は出来ない。学者としての信念と矜恃。男としての勇気と覚悟。人は思いやり故に真実を隠し得る。真実の追求が幸福に直結するとは限らない。自身の出生の秘密を知らない事の不安と知る事の恐怖の狭間で揺れる心情が伝わる。人は神への信仰を通して自身の内面と対話する。神の意志とは運命の別名に過ぎない。時には神に抗っても自ら運命を切り開く必要がある。悲劇の結果として誕生しようとも子供に対する母親の深い愛情は変わらない。血縁を超越した父親の強い愛情にも胸を打たれる。2022/10/31
bHUijHoboCjroPZ
1
☆☆☆☆2024/10/29
脱臼
1
だいたいのミステリーって、物語の中盤くらいの主人公の推理って大抵外れて、ラストは意外などんでん返しがあるじゃないですか。これは、その中盤の推理がそのまま当たってしまうという肩透かし間違いなしの作品です。合間合間に入る父親の論文も長ったらしくて退屈なだけで特にトリックに絡んでくるわけでもなし。残念ながらつまんなかったです。2017/05/26
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- 和書
- 虫類図譜 ちくま文庫