感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちゃこ
4
【1984年講談社刊行版】 第4回(1985年)新田次新田次郎文学賞。 全面改稿された2000年文藝春秋刊行版を読んだが、改稿前の作品も読んでみた。 改稿前の作品では、長崎の貿易事情や通貨の説明が詳しく書かれており、経済素人の私には分かりやすかった。作品全体の流れの良さや終章は改稿後の作品のほうが秀逸。 /[2014ー051]2014/03/28
k_jizo
1
★★幕末開港時期の通貨問題、なかなか習わない歴史の裏側が知れて面白い2019/11/04
近江
0
幕末、開国させられた日本と英米公使との間に持ち上がった銀貨の価格を中心とした円ドル交換レート騒動の物語。英国公使オールコック、米国公使ハリス側から見た日本の対応や一分銀貨と一両金貨=一両小判の交換レートの海外との差による小判流出騒動の顛末がよく見える。渋る日本とゴネる公使、そして力によって利権を得た公使たち、という図で話が進むものの、解明される結果のどんでん返しがとても上手い。幕末の貨幣事情やそこから来る市民感情を元に倒幕までの陰のターニングポイントとして理解が深まる良いドキュメンタリー小説になっている2022/02/20