感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぽちまき
3
ソビエト連邦下のカザフでの物語。米ソの宇宙ロケット打ち上げで突然有刺鉄線が張られて入ることのできなくなってしまった彼らの墓地。昔の民話や伝説をからめて過去、前時代的暮らし、最先端技術、未来が錯綜し話が進んでいく中、広大なソビエト連邦時代の国を思い描いた。翻訳本は昭和59年第1刷でやはりソビエト連邦時代に出版されたもの。地図で名前しか追えない連邦内の地を想像していた記憶がよみがえってきた。2015/10/28
長尾
0
一世紀より長い埋葬のための一日の話。圧巻の構成だった。エジゲイのような人間でありたい、と思う。2024/03/23
bandoujinx
0
米ソによる宇宙空間における異星人とのファーストコンタクトと、発表当時ソ連領だったカザフスタンのロケット発射基地周辺に住む遊牧民の老人の回想が交互に続く。二つの物語は交わることなく終わる。宇宙人がいようがいまいが地上の生活は続くということか。 アラル海が舞台の一つとして描かれるがそれもソ連の環境破壊によって文字通り底まで干上がってしまった。2022/07/20