出版社内容情報
【内容紹介】
野間文芸新人賞受賞
1982年秋 僕たちの旅は終わる すべてを失った僕のラスト・アドベンチャー
1979年 風の歌を聴け
1980年 1973年のピンボール
そして、1通の手紙から羊をめぐる冒険が始まった消印は1978年5月──北海道発
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
美紀ちゃん
71
再読。耳のステキな彼女が優しい。美味しいオムレツとサンドウィッチが食べたくなる。「キーポイントは弱さなんだ」 と鼠が言った。「本当の弱さというものは本当の強さと同じくらい稀なものなんだ」「俺一人の力で終わらせることはできなかったにしても、とにかく終ったんだ。・・・」冒険の果てに多くのものを失い、涙が出る、切ないラスト。でも静かで不思議な話。みんな優しい。2014/05/26
aki☆
67
放浪中の友人から送られてきた一枚の写真。それを目にした有力者からそこに写っている羊を探せと命じられ…。一枚の写真が主人公の生活を一変させ、羊探しへと旅立たせる。ファンタジー全開のストーリーを想像していたので意外とリアルで驚いた。もちろん村上ワールドは健在で「羊」に関しても最後まで分からなかったし、謎な「羊男」も登場したけど笑。これの前に読んだ『街とその不確かな壁』に比べたら読みやすくて話に入り込めた。ラストも切なくて良かった。2023/07/27
かるかん
63
『凡庸さというのはいろんな形をとって現れる、ということです』 村上春樹作品の中でも1,2を争うレベルで好き。ミステリーチックで、なおかつまた少しファンタジー、とはいえ1Q84のような意味不明な世界ではないからこそ村上主義者ではなくても楽しめるのではないかと思う。2016/01/05
抹茶モナカ
57
学生時代以来の再読。十二滝町の歴史の下りの辺りで中弛みしつつ、読み終えてみたら、不思議な小説だったな、と思った。喫煙と飲酒のシーンが多く、主人公が終盤に禁煙して、ランニングを始めるのは、村上春樹さんのこの小説執筆中の習慣とリンクしていそうに思った。ジェイズ・バーでは、AORが流れていたのは、再読しての発見。2017/09/30
Kajitt22
55
『ピンボール』に続き数十年ぶりに再読。『ピンボール』の浮遊感ある読み心地とは違いミステリー仕立てで読みやすい。ラムチョップやジンギスカン好きとしては、以前から美味しい国産生ラム肉がなぜ手に入らないのかと不思議な思いでいたのだが、そうかそうだったのか。それはともあれ、戦前からの日本右翼の系譜や北海道開拓の歴史が語られ、羊男の登場や、やっと会えた旧友鼠が死者だった場面には魅了されました。2024/11/18
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