内容説明
七〇年代からの日本社会の激動は童話の世界を大きく変えた。大人が子どもに与える教訓的な物語は影をひそめ、子どもの空想を刺激し日常とは別の次元に誘う幼年童話、ファンタジーの名作が生まれる一方、いじめや受験戦争に蝕まれる十代の心を繊細に描くヤングアダルト文学も登場。若い才能ある書き手達が大人と子どもの文学の境界を双方から軽やかに突破していった。山下明生、灰谷健次郎、江國香織、村上春樹等の名品二六篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
TANGO
19
図書館本。童話、なので、ホンワカしたお話が多いのかと思いきや…いろいろな26のお話。ただのお話、で終わらないものが多かった。他の時代のものも読んでみたい。2013/10/17
AN
6
童話というとファンタジー、SF、メルヘン……と思っていては甘いですね。こんなにも幅広いジャンルの話が「童話」という繋がりで一冊に収められていることに驚きます。中にはこれ、子どもが読んでもいいの?というものも。けれど子どもは大人の予備軍。であれば童話というカテゴリーに囚われず、その枠をぶち壊してやろう、という当時の作家の思惑が見えるような……(これは私の妄想です笑)名作選というタイトルにふさわしい一冊です。2014/06/09
funa1g
1
嫌な話がわりと多い。「電話がなっている」、「おとうさんの庭」が特にすごかった。前者のようなお受験ネタはやや古いものに思えたが、後者のような不況ネタはあまり現実味を失っていない気がする。2010/07/06
のほほんなかえるさん
0
童話なのか児童文学なのか。境界線を引くことがなんと困難なことか。だが、面白い。甲乙つけがたい26篇2012/08/23
すばる
0
「電話がなっている」「凧になったお母さん」怖すぎ…2012/05/18