講談社文芸文庫<br> 濁った激流にかかる橋

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講談社文芸文庫
濁った激流にかかる橋

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  • サイズ 文庫判/ページ数 393p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061984820
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

激流によって分断された町の右岸と左岸。それをつなぐ唯一の異形の橋。かつての小川は氾濫をくり返し、川幅は百倍にもなり、唯一の橋は拡張に拡張を重ね、その全貌を把握できぬほどの複雑怪奇さを示す。そして右岸と左岸にはまったく気質の異なる人々が住む。この寓話的世界の不思議な住民たちの語る九つの物語。諧謔的かつ魔術的なリアリズムで現代の増殖する都市の構造を剔抉した読売文学賞受賞作。

著者等紹介

伊井直行[イイナオユキ]
1953・9・1、宮崎県生まれ。小説家。慶應大学文学部卒業後、出版社勤務を経て、1983年、『草のかんむり』で群像新人文学賞受賞。89年、『さして重要でない一日』で野間文芸新人賞受賞。94年、『進化の時計』で平林たい子文学賞受賞。2001年、本書『濁った激流にかかる橋』で読売文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社トリスタの提供する「読書メーター」によるものです。

りー

26
大傑作!ひとたび飲み込まれれば死体すら上がらない荒れ川と、その激流の彼岸と此岸を渡す九龍城のような橋、そして生活レベルの異なる両岸を内包した町を巡る連作短編集。それぞれの短編は単品でもひとつの作品として完成しており、それぞれ幻想味が強いもの、エンタメ性の高いもの等様々な展開が楽しめる。舞台は架空の町ではあるものの、その混沌とした情景には不思議と郷愁を誘われ、連作ならではの短編同士のリンクが心地よく物語の世界観を構築してゆくため、読み終える頃にはこの激流が迫り来るような臨場感を伴って脳裏に描き出される。2016/07/28

スミス市松

21
「東南アジアと中国とが混ぜ合わされたような場所にある、巨大で無秩序な橋とその下を流れる濁った激流の川」――本書はそんな地域に暮らすある共同体の歴史を軸に据えた連作短編集になっているのだが、著者のすっとんきょうな語り口としゃちほこばった会社員的コードが家系・血統・土地などのサーガ的要素と混ざり合いなんとも奇天烈な空間を作り上げている。こんな辺鄙な市を構築しながら地道に暮らす人たちのどんな心の機微も見逃さないのは、あるいはこの小説世界自体が伊井直行という巨人のさいづち頭から溢れる一本の激流だからなのだろうか。2012/09/10

がんつん

3
これは面白いー。いわゆる連作短編的な群像劇?のような感じの小説なのだけど、読んでて全く飽きなかったし、一見すると古くさい雰囲気の導入からすでにキャラクターがほどよくオカシく(誉め言葉)、ぐいぐい引っ張られる。物語の背景でありながら中心である川と、城塞のような橋(ゴーメンガースト思い出したけど伝わるだろうか)の存在感も非常によいー。川岸にすむ人の生もこの激流のように、濁ったうねりのなかにあり、美しくは決してない。それでも、妙に愛しく感じる。のだ?2016/08/02

みーまりぽん

3
我ながら語彙が乏しいと感心してしまうが、、、久々に文学作品を読んだー!って思いましたよ。とてもとてもおもしろかった。 1つの市を「右岸」「左岸」に分断して流れる川と、そこにかかる橋とを主な舞台として人々が繰り広げてきたエピソード集といったとこでしょうか。 連作短編集という構成自体が好きなのでそれだけでポイントアップさせてしまっているかもしれませんが、、 話の進み方・つながり方は単純でなくて「ん?」とページを戻ってみたりな感じ、それがまた良い。 伊井さん、とりあえず何作か追っかけたいと思います。2014/01/29

レフラー

3
水より生まれて水に帰る。すべての治水の縁起話。大変愉しい読書でした。2008/12/08

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