感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いちろく
21
収録されている「羽織と時計」目的で手にとった作品。登場人物達の立場や状況の違いを、あまり描く事なく読者側にも気がつかせる所が凄いと感じました。共通テストの問題関係なく、引き込まれた内容。2021/02/07
YO)))
6
味わい深い八編.「世の中へ」は,中学校に入れてもらうつもりで郷里を飛び出し京都の伯父を頼ったところ,薬店の丁稚としてこき使われる羽目になった,という,割と酷い話なのだが,苦難と薄幸の中に,ささやかながらも垣間見える人情の温かさにこそ,しみじみ胸を打たれる塩梅式で.「乳の匂い」は,シチュエーション的にはイヤらしいとしか言えない場面をすら,気品と情緒の中に描き切る清澄な文体に感服.2014/02/02
けろ
3
情緒的で、日本の静かな日常を感慨深くしみじみ味わうことのできる良い作品。「恭三の父ー手紙」では涙があふれた。もっと読まれてよい作家ではないだろうか。2023/11/06
あにこ
1
表題の二作がやはり良かった。出会えてよかったな、と心から思える小説だった。登場人物も、話の流れも、全てが私好みのものだった。かつては私小説というものを、ともすれば退屈な身の上話ないしは内輪話程度にしか受け取れず、読むことを拒んですらいたものだが、その温もり・静謐さに近頃は心惹かれる。表題作以外でも『屍を嘗めた話』は凄かった。笑 こういうちょっとした話がとても好き。2013/03/06
RTこが
1
なぜみんな読まない?すげえよこれ。2010/09/30