出版社内容情報
好敵手=藤原定家の秀歌百首に真剣勝負を挑む創造的評論に、他一篇を付す。“愛しかつ憎んだ”宿敵定家に挑む
戦後、リアリズム至上の伝統歌壇に激震を起した前衛歌人の中でも歌と評論両輪の異才で光芒を放つカリスマ塚本邦雄。非在の境に虚の美を幻視する塚本は自らの詩的血脈を遡行、心灼かれた唯一の存在として宿敵・藤原定家を見出す。選び抜いた秀歌100首に逐語訳を排した散文詞と評釈を対置、言葉を刃に真剣勝負を挑む「定家百首」に加え、『雪月花』から藤原良経の項を抄録。塚本邦雄の真髄を表す2評論。
島内景二
繰り返し、言おう。邦雄の定家論は、由紀夫を含む滔々たる戦後文学の一大潮流の中で把握すべきである。龍彦もまた、然り。不可勝数の芸術家たちが群星のように燃えさかり、昼の太陽光線よりも赫く夜空を焦がした。彼らは異端・鬼才などと呼ばれたが、由紀夫という正統派の天才をマスコミの前面に押し立て、自分たちこそが芸術の正統だと高唱した。それが昭和40年代の空気だった。――<「解説」より>
塚本 邦雄[ツカモト クニオ]
著・文・その他
島内 景二[シマウチ ケイジ]
著・文・その他/解説
内容説明
戦後、リアリズム至上の伝統歌壇に激震を起した前衛歌人の中でも歌と詩論両輪の異才で光芒を放つカリスマ塚本邦雄。非在の境に虚の美を幻視する塚本は自らの詩的血脈を遡行、心灼かれた唯一の存在として宿敵・藤原定家を見出す。選び抜いた秀歌百首に逐語訳を排した散文詞と評釈を対置、言葉を刃に真剣勝負を挑む「定家百首」に加え、『雪月花』から藤原良経の項を抄録。塚本邦雄の真髄を表す二評論。
目次
帝家百首―良夜爛漫
雪月花―絶唱交響(抄)
著者等紹介
塚本邦雄[ツカモトクニオ]
1920・8・7~2005・6・9。歌人、評論家、小説家。滋賀県生まれ。歌誌「日本歌人」(前川佐美雄主宰)に入会。1951年、『水葬物語』で歌壇に登場。60年、岡井隆、寺山修司等と「極」を創刊。85年、歌誌「玲瓏」主宰。反リアリズムの前衛短歌の雄として精力的に活動。『日本人靈歌』で現代歌人協会賞、『詩歌變』で詩歌文学館賞、『不變律』で迢空賞、『黄金律』で斎藤茂吉短歌文学賞、『魔王』で現代短歌大賞を各々受賞。97年、勲四等旭日小綬章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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ヴェネツィア
jam
藤月はな(灯れ松明の火)
yumiha
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