講談社文芸文庫<br> 幾度目かの最期―久坂葉子作品集

個数:

講談社文芸文庫
幾度目かの最期―久坂葉子作品集

  • ウェブストアに1冊在庫がございます。(2024年04月16日 19時05分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 文庫判/ページ数 304p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061984257
  • NDC分類 918.68
  • Cコード C0193

出版社内容情報

18歳の時に書いた作品で芥川賞候補となり、21歳で自殺した幻の作家・久坂葉子。神話化した天才作家の心の翳りを映す精選作品集。

今も惜しまれる元祖天才文学少女、その青春の光と影――。18歳の時書いた作品で芥川賞候補となり、そのわずか3年後に、列車に身を投げた久坂葉子。名門の出という重圧に抗いつつ、敗戦後の倦怠と自由の空気の中で、生きることの辛さを全身で表すかのように、華やかな言動の陰で繰り返される自殺劇……。遺書的作品「幾度目かの最期」を中心に、神話化された幻の作家の心の翳りを映す貴重な1冊。

久坂部羊
自殺の当日に完成されたのが、本書収録の『幾度目かの最期』である。この作品を読んだときの衝撃は、今も忘れられない。自分の死と文学をこれほど一致させた作品がほかにあるだろうか。自らの死を1編の小説に結晶させ、その作品の予告通りに死ぬ。それは芥川にも太宰にも三島にもなし得なかったことである。――<「解説」より>

久坂 葉子[クサカ ヨウコ]
著・文・その他

久坂部 羊[クサカベ ヨウ]
解説

内容説明

今も惜しまれる元祖天才文学少女、その青春の光と影―。十八歳の時書いた作品で芥川賞候補となり、そのわずか三年後に、列車に身を投げた久坂葉子。名門の出という重圧に抗いつつ、敗戦後の倦怠と自由の空気の中で、生きることの辛さを全身で表わすかのように、華やかな言動の陰で繰り返される自殺劇…。遺書的作品「幾度目かの最期」を中心に、神話化された幻の作家の心の翳りを映す貴重な一冊。

目次

四年のあいだのこと
落ちてゆく世界
灰色の記憶
幾度目かの最期

鋏と布と型
南窗記

著者等紹介

久坂葉子[クサカヨウコ]
1931・3・27~1952・12・31。小説家。神戸生まれ。川崎造船所創設者の子孫であり、男爵、子爵の血筋でもあることから、家の重圧を常に感じて育つ。高女時代から詩作を始め、1949年、島尾敏雄に会い、これを機に「VIKING」に参加、以後、富士正晴に師事。18歳の時書いた作品(「落ちてゆく世界」の改作「ドミノのお告げ」)で芥川賞候補に。52年の大晦日、「幾度目かの最期」を書き上げ、鉄道自殺(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

91
百年文庫で読んだ表題作に衝撃を受け、早速、この短編集を手に入れました。解説の写真を見る限り、作者は快活そうなお嬢さんだ。しかし、この人が痛ましいまでの叫びと自制に満ちた支離滅裂な心情で亡くなったのだと知ると、写真をどう見て良いか、分からなくなる。活字倶楽部にも紹介された「落ちていく世界」もやっと、読むことができました。元財閥の子として自堕落に生きながらもその生活に先がない事を分かっている雪子の心情が痛ましい。一方で心配し、父の死にも一人、悼む雪子に対し、投げやりな進次郎の言動に腹が立って仕方ない。2018/09/07

Mina

49
若くして命を絶った久坂葉子作品集。凡人の私には彼女の死への憧憬を理解するのは難しいのですが、それでも思うままに書き綴られた生きることへの不安、死への欲望は心に迫ってくるものがあります。特に自伝的作品『灰色の記憶』と遺書的作品『幾度目かの最期』は感情が次から次へと湧き出てくるよう。たった21年間で、私が一生かけても到底及びもしない程悩み葛藤した彼女を羨ましく思う反面、哀しさも込み上げます。切ない『四年のあいだのこと』、マネキンが魅惑的な『鋏と布と型』、15歳で書いたとは驚きの『南窗記』、どれも印象に残ります2015/01/25

りー

40
若さ故の瑞々しい感性を、触れれば折れてしまう程に鋭く研ぎ澄まして辿り着いた先の文学。惜しい才能を亡くしたと思う反面、命を投げ打たなければここまでの作品が書かれることは無かったのかもしれないとも思う。人一倍強烈な感情を持ちながらその出口が極めて狭く、そうして細く細く絞り込まれた圧倒的な火力で焼き付けられた言葉達は、だからこそここまで強く深く人の心に刻み込まれるのだ。自伝的小説『灰色の記憶』は非常に共感できる内容だったのだけれど、最近僕はこんなのばかりに共感していて一社会人としてどうなのかたいへん疑問である。2015/07/03

coco.

24
戦後没落した川崎財閥令嬢の作家・久坂葉子の作品集。表題作は、私小説と呼ぶよりも死の当日まで心情を赤裸々に綴った遺稿。数人の異性関係を重ね、筆任せに走り書きされた女性の心情は生々しく、熱量が激しい。勢いのまま読み切ってしまった。煙草を喫い、深酒をするなど女性にしては不良気味だが、クラシックのレコード、ジャズとモダンな嗜み。21歳で夭折したので、全編とも似たり寄ったりの設定だが、躾が厳しい著者の出自柄か、異性を比喩で例えるなど言葉遣いは、美しかった。芥川賞候補作家と文字の如く破天荒な人生を地で生きた女性。2014/12/16

水生クレイモア

22
久坂葉子さん初読了。死の香りがある意味では探偵小説以上に強く、それでいて儚さよりも強さを感じる文章。太宰治『斜陽』にも似た『落ちてゆく世界』、遺書を読んでいるような表題作、ミステリ的な雰囲気のある『女』、仄暗い青春小説『灰色の記憶』と佳作揃い。2023/12/25

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/493496
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。