出版社内容情報
終戦直後の大阪の混沌たる姿に、自らの心情を重ねた代表作「世相」、横紙破りの棋風で異彩を放つ大阪方棋士・坂田三吉の人間に迫る「聴雨」、嫉妬から競馬におぼれる律儀で小心な男を描いた「競馬」、敬愛する武田麟太郎を追悼した「四月馬鹿」等、小説8篇に、大阪人の気質を追究した評論「大阪論」を併録。自由な精神で大阪の街と人を活写した織田作之助の代表作集。
織田 作之助[オダ サクノスケ]
著・文・その他
内容説明
終戦直後の大阪の混沌たる姿に、自らの心情を重ねた代表作「世相」、横紙破りの棋風で異彩を放つ大阪方棋士・坂田三吉の人間に迫る「聴雨」、嫉妬から競馬におぼれる律儀で小心な男を描いた「競馬」、敬愛する武田麟太郎を追悼した「四月馬鹿」等、小説八篇に、大阪人の気質を追究した評論「大阪論」を併録。自由な精神で大阪の街と人を活写した織田作之助の代表作集。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
たぬ
22
☆4 小説8+評論1。大阪が実に生き生きと。実を言うと大阪って個人的には二大住みたくない都道府県のうちの一つなんだけど濃ゆいキャラや土地が多いので読む分には面白い。「四月馬鹿」の武田麟太郎なんてものすごく惹かれるじゃないの。坂本龍馬の妻の母親を描いた「螢」も好き。2021/11/04
長谷川透
17
都市や街を描いた作家と言えば、海外に目を向ければ何人も名前が挙がるが、日本に限定すると即座には名前が挙がらないが、織田作之助は間違いなくそのリストの中に入る作家だ。そして都市の書き方であるが、多くの作家と異なり、その土地で生きる人間だけで以て一つの都市の姿を描き切ってしまうから彼の存在は特異である。洒落気と俗気、浮世への関心、逞しさ。オダサクはこれらを描くことが大阪の作家たる所以であると「大阪論」で書いているが、彼の小説にはこれらが洩れなく書かれている。地勢や風習を描かずとも大阪の街は大阪たり得るのだ。2013/04/14
トムヤムクン
3
この人の文章は、読んでいて心地よい。そしてめちゃくちゃ人間臭い。憧れ2009/02/27
kuro
2
安吾、太宰、織田作が明るいネクラか暗いネアカかと言えば、ネアカ・ネクラ・ネアカではなかろうか。 個人的には「聴雨」、「競馬」、「世相」が特に印象的。「俗臭」にせよ、戦後の終末世界を描いていながらどこか陽気な雰囲気が備わっている(しかもそれを1946年に発表している!)のが今読むと不思議と心強い。2020/07/26
なかにし
2
競馬と四月馬鹿が特に好きです 織田作は人のことをよく見ていたんだな、あと「耳かきですくうほどの◯◯」は流行らせたいです2017/03/23
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