内容説明
愛慕する年若い叔母伊勢子の自裁の謎を追ううちに、維子は不実な男泉中紋哉との官能の罠に自ら堕ちていく。性愛に囚われた維子の現在、ミステリアスな伊勢子の過去、さらに情熱の歌人和泉式部の生きた遠い昔―時空を隔てた三人の女人像を巧緻な遠近法でとらえ、王朝文化と戦後風俗という「聖」と「俗」のあわいに独得の官能美の世界を現出させた著者晩年の傑作。毎日芸術賞受賞作。
感想・レビュー
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- 和書
- 陰陽師 〈酔月ノ巻〉
愛慕する年若い叔母伊勢子の自裁の謎を追ううちに、維子は不実な男泉中紋哉との官能の罠に自ら堕ちていく。性愛に囚われた維子の現在、ミステリアスな伊勢子の過去、さらに情熱の歌人和泉式部の生きた遠い昔―時空を隔てた三人の女人像を巧緻な遠近法でとらえ、王朝文化と戦後風俗という「聖」と「俗」のあわいに独得の官能美の世界を現出させた著者晩年の傑作。毎日芸術賞受賞作。