講談社文芸文庫
戦後短篇小説再発見〈11〉事件の深層

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  • サイズ 文庫判/ページ数 237p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061983342
  • NDC分類 913.68
  • Cコード C0193

内容説明

事件の底に澱む暗い情念―殺人、自殺、失踪、誘拐、虐待へと引き寄せられる人間心理の葛藤を凝視する十篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

踊る猫

13
「犯罪」をテーマにしたものが目立つ。既読は椎名麟三「寒暖計」のみ。いつもながら個人的な好みの問題で言えば、暗い内面を恐ろしく明晰に描いた倉橋由美子や事務的な筆致の中に母子の悲しみを際立たせた大岡昇平、相変わらずスケールが大きな話を短編の中に盛り込むという離れ業をやってのけた野坂昭如といった作家のものが優れているように感じられた。逆にやや期待外れだったのは中上健次と藤沢周氏。このふたりに関してはこちら側が期待し過ぎたのが原因なのではないかと思う。ただ、藤沢氏の作品は妙にこちらの心を掴んで離さない。再読したい2016/08/22

メルコ

9
犯罪の匂いを漂わせ人間の心理、葛藤を描く短編10作。松本清張の「火の記憶」が当たり。著者ならではの手法で事件の背後に潜んでいるものに迫る。「空間の犯罪」(武田泰淳)、「焚火」(大岡昇平)、「ふたかみ」(中上健次)、「紫」(宮本輝)、「ナンブ式」(藤沢周)が印象に残る。ミステリーとはまた違い、かつての文豪による断片は、悲しい人間の心模様を描き出す。2020/11/27

みや

2
4人の選者により「埋もれた」短編をテーマ別に提示するアンソロジーのシリーズ11。技巧を凝らした虚構は個人的には好まざるところだが、戦争に翻弄された人々の悲劇的な運命を描いた作品に胸を打たれる。不幸の連鎖をベースに、幼児虐待と死を扱った野坂昭如「童女入水」が白眉。2018/06/03

eazy

1
収録作は以下の通り。 武田泰淳「空間の犯罪」△、 松本清張「火の記憶」 、三島由紀夫「復讐」△、 椎名麟三「寒暖計」 、倉橋由美子「夏の終り」、 大岡昇平「焚火」 、野坂昭如「童女入水」◎、 中上健次「ふたかみ」○、 宮本輝「紫頭巾」、 藤沢周「ナンブ式」 野坂昭如が圧倒的によい。2008/04/04

nokiko

0
一番最後のがなんともお耽美2015/11/05

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