講談社文芸文庫<br> 路地

電子版価格
¥499
  • 電子版あり

講談社文芸文庫
路地

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 304p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061983151
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

名刹が点在し、高級住宅地が広がる古都・鎌倉。だが、そんな町にも様々な人生が交錯する“路地”がある。古書店主、観光人力車を曳く男、図書館勤めの小市民…、市井の七人それぞれが過去に秘めている小さな罪や愛が、彼らの平穏な日常を波立たせる一瞬を犀利に捉え、人生の細やかな真実を温もりと共に掬いあげる短篇連作。谷崎潤一郎賞受賞作。

著者等紹介

三木卓[ミキタク]
1935年(昭和10年)生まれ。1959年(昭和34年)3月、早稲田大学を卒業。1973年(昭和48年)7月、「鶸」で第六九回芥川賞を受賞。1984年(昭和59年)11月、「ぽたぽた」で第二二回野間児童文芸賞を受賞。1986年(昭和61年)7月、「馭者の秋」で第一四回平林たい子賞を受賞。1989年(昭和64年・平成元年)2月、『小噺集』で昭和六三年度芸術選奨文部大臣賞を受賞。1997年(平成9年)3月、『イヌのヒロシ』で第一九回山本有三記念「路傍の石文学賞」を受賞。8月、『路地』で第三三回谷崎潤一郎賞を受賞。1999年(平成11年)紫綬褒章を受章。2000年(平成12年)2月、『裸足と貝殻』で第五一回読売文学賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

YO)))

15
鎌倉を舞台にした連作短編集.各編の登場人物たちは互いに行き合ったりすれ違ったりするのだけれど,著者もあとがきで書いているとおり,鎌倉の旧市街のスケール感の中では自然に収まっていて良い.みなそれぞれに自分勝手で,でもその事を時には反省したり悔いたりしないこともなくて,誰かにとっては救いになっていたりもする,そういった人の心の機微が,街の情緒に過剰に頼ることなく良い塩梅で描かれている.テロル青年や嘘つき女などでアクセントも効かせながら.2013/11/19

ハチアカデミー

6
B 良い。非常に良い。鎌倉を舞台とした連作短編。土地と、そこに住む人々の姿が描かれる。善意と悪意の微妙な境目を表現するのが上手い。また、下手なりに、誠意を持ってコミュニケーションを取る登場人物たちには好意が持てた。黒井千次や堀江敏幸に近いか。「レイチェル・チャンの前髪」が特に良い。図書館の写真集をサバイバルナイフで切り取る主人公の物語は、平穏な町の中の、ちょとした狂気。その狂気が静かに燃え上がるラストが印象的であった。他にも、血縁関係のない疑似親子を描く「いくたびか繰り返された夜」も◎。2012/04/19

桜井晴也

2
「『ところできみ、きみはどうして前髪をおろさないんですか』/『は?』/『ぼくの妹は、前髪をおろしています』/雅人は非難をこめていった。そのいいかたの強さに、娘は驚いて顔を赤くした。/『横でわけるなんて、ぜんぜん似合わない。止めなさい』/『は?』/娘は、当惑していった。/『どうしてそんなこというんですか。藪から棒に。失礼じゃありませんか』/『ぼくの妹は、横でわけたりしていない』/雅人はいった。/『だからいうんです』/『それが、わたくしとどういう関係があるんですか』」2012/04/21

猫丸

1
古都、鎌倉の路地で交錯する様々な人生を描く7つの連作短編集。作品ごとに主人公が変わり、各々が何処かで出会っている。市井の人々の仄暗い過去や、表面からは伺い知れない家庭内の修羅。1話の犯人がその後の話で解るのだが、本当にぞっとした。犯罪と言えるほどではないけれど、それぞれの罪や後ろめたさや嘘が人間の怖さを物語ると同時に、人間らしい悲しみや温もりが伝わる作品である。 谷崎潤一郎賞受賞作。2026/04/18

3J28

1
たまたま単行本が手に入り、そちらで読んだ。何と綺麗な装丁なのだろうと、まずそこに目を奪われた。テクストはスッと馴染んでくるような文体で、形式のせいもあってか堀江敏幸『雪沼とその周辺』を思い出したりもした。どの掌編も味わい深いが、「白粥の輝く朝」が特に好みだった。(ただ、山崎ナオコ―ラふうに言えば「時代だな」という感じで、全体に漂うマチスモを感じずにはいられないのもたしかである。)2025/09/22

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/275112
  • ご注意事項