講談社文芸文庫<br> 生家へ

個数:
電子版価格
¥1,463
  • 電子版あり

講談社文芸文庫
生家へ

  • ウェブストアに1冊在庫がございます。(2025年11月14日 01時28分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●3Dセキュア導入とクレジットカードによるお支払いについて
    ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 文庫判/ページ数 304p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784061982574
  • Cコード C0193

内容説明

生まれ育った生家へ子どもの頃のままで帰りたい―戦時中、家の下に穴を掘り続けた退役軍人の父が、その後も無器用に居据っていたあの生家へ。世間になじめず、生きていることさえ恥ずかしく思う屈託した男が、生家に呪縛されながら居場所を求めて放浪した青春の日々を、シュールレアリスム的な夢のイメージを交えながら回想する連作11篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

田氏

20
結果的には、読み進めるのにかなりの時間を要した。数行読み進めるごとに、穴だらけの生家に、夢とも現ともつかぬ奇景に、あるいは夢とわかっていてなお夢と言い切れぬ追憶に、引きずり込まれるのだ。その先には、ただ幻なだけの幻想でなく、『狂人日記』にも言えることだが、気持ちとか想いとか、蟠りとかと名指されるものが凝っているようだ。凝りは足をとる。動きがとれず、どうしようもなく、ただ立ちどまるしかない。他にできることといえば、耳をすますとか、匂いや温度を感じるとか、それくらいのものである。もとい、それができるのである。2024/02/02

三柴ゆよし

8
「生家に戻りたい、生家に戻って、時が流れるままにうすぼんやりとすごしたい、今かかわりあっている日常を、何もかも遠くにほうり投げて、生家へ戻ってしまいたい」。若き屈折の日々とシュールな幻想が交錯する軋んだ世界。悪夢じみたイメージの世界に遊んでいても、色川武大の文章はしっかりと現実に根を下ろしている。浮つくことがない。作り物の感じがしない。文は人なりの箴言を必ずしも信じるわけではないが、彼の文章からは、生に対する達観と、それに相反するナイーブさが透けてみえる。色川武大の文章は怖ろしくて、哀しい。2010/01/18

showgunn

7
色川武大のメインテーマを扱った作品でこれが一番内容的にも踏み込んでいる。 表題作よりも処女作の「黒い布」の方が魅力的に感じた。 しかし講談社文芸文庫は高い、古本でも900円したよ。2016/04/22

hirayama46

3
色川武大にとっての生家というのは、他の誰よりも父親と過ごした場所なので、親子関係を中心に過去をあれこれ回想していく私小説。幼少期の思い出に不意に非現実的な幻想が色濃く混じってくるあたりが色川武大らしいところ。ナルコレプシーによって幻覚を見始めたのはそんなに過去の話ではないはずですが、執筆している段階での生活に幻が存在している以上、記憶の遡行にも反映されるのでしょう。他の小説に比べてより自己の内面に深く踏み込んでいるぶん、内省的な重いですが、やはり面白い。妻をめぐる軽妙さとの対照的ですね。2021/07/22

Mark.jr

3
悪夢というのは、いかにもフィクションめいたものよりも、例えば大学に留年するとか、アルバイトで怒られるとか、過去にあったトラウマを思い出させるものの方が怖かったりします。タイトル通り、著者の生まれ育った家や時代を題材にしたこの作品は、私小説的な体験と漱石の「夢十夜」を思わせる突拍子もないシュールなイメージが渾然となり、過去のトラウマの悪夢を再現しています。生まれ育った家というか過去からは逃れない、そんなブラックホールに引きずり込まれるかのようなエモーショナルな作品です。2020/12/12

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/482733
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ドワンゴ」にご確認ください。

最近チェックした商品