講談社文芸文庫<br> 極楽・大祭・皇帝―笙野頼子初期作品集

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講談社文芸文庫
極楽・大祭・皇帝―笙野頼子初期作品集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 289p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061982529
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

輪切りの地獄、鼠硝子、自閉帝国…究極の地獄絵を求める密室画家、「地獄変」の書き変えを志した「極楽」。祝祭の日、父親殺しの妄想へと走る小学生「大祭」。自閉帝国を求める白衣の殺人者、長篇「皇帝」。二十五歳で群像新人賞を受賞した芥川賞、三島賞、野間文芸新人賞作家が、暗黒の八〇年代を注ぎ込んだ引きこもり・憎悪小説集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tomo*tin

17
徹底的だな、というのが第一印象で、鬱屈した心の闇が物凄い勢いで眼前に迫ったかと思うと、それらは更に増幅して体内を侵食し、余すところ無く喰い尽し、残りカスを放り投げたかと思えば、沈澱してゆく孤独を貪る。そこにある言葉が本来持つ意味以上の力を持って喀血する。救済は求めないという憎悪。偽善も欺瞞も必要無いという呪詛。徹底的なのだ、何もかも。誰かを心から憎んでいる人は読まないほうがいい。多分この物語に入り込んだまま、戻れなくなると思う。2009/04/21

梟木(きょうぼく)

15
外界への強烈な違和の意識から出発した作家による、<初期作品>として括るにはあまりにも完成度の高い作品集。一枚の地獄絵に現世への憎悪を刻み尽くそうと執着する男の転落を描く「極楽」。生まれ変わりへの期待が両親や環境によって残酷に裏切られる子供の意識を描いた「大祭」。内面に観念としての<搭>を抱え、密室の絶対君主として君臨する引きこもり青年の精神に密着した「皇帝」。いずれの作品も人物の内面に無限に寄り添おうとするナイーブな著者の感性のうちに文学的マニフェストの気負いも感じさせ、短美小説としても絶品である。2016/04/18

ミツ

9
文句なしに傑作。恐ろしいものを読んでしまった……。 凄まじいまでの憎悪と鬱屈を篭めた純文学三編を収録。 地獄絵の中に完全な憎悪を描こうとする『極楽』現実と嘘を巡る思索は著者自身の作家としての決意表明とも読める。 自意識以前の子供の世界と外界の暴力を描いた『大祭』 そしてエゴの塔に引きこもる私=皇帝と私を規定し抑圧する社会との観念的自己内対話を描く長編『皇帝』 そこではルサンチマンにより形成された強烈な自己が投射する汚濁と暴力の幻想に爛れた地獄を見出すことが出来るだろう。2010/01/05

押さない

5
「皇帝」は特に物語や人物、情景描写よりも、観念的・抽象的・演説が強く出ていて、そういった作者の思想が物語に落とし込むのではなく説明的に出てくるタイプのものに辟易してしまうので、好みに合わなかった。「極楽」「大祭」は内に内に篭もる持ち味が寒気がする程よく混ざりあっていて素敵だった。2017/06/16

yozora

3
笙野頼子の原点だと思うと、他の作家よりもなにかしら胸に来るものがある。これでもかこれでもかと極めて論理的に(正確には推論調子で)、常識や世間に対して異議申し立てを迫っている。そういった勢いが『「私」を否定する』ことで、ひとつの頂点をとったのが『皇帝』なのではないだろうか。そこで作者はまた一歩独自の地平を切り開いたように見える。またなによりそのような世界観を保ちつつ、かつ文量・構成などのバランスに優れた表題作にしてデビュー作『極楽』には感心させられた。2016/01/31

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