出版社内容情報
【内容紹介】
《もはや疑う余地はない。いたましや!エヴゲーニイはタチヤーナに子供のような恋をしたのだ。》
19世紀初頭のロシア社交界、可憐な少女の愛を拒んだ青年オネーギンは、後年魅力溢れる人妻に変貌していた彼女を見、衝撃を受け、求愛する。しかし、時遅く……。愁いをたたえ、心の美しい公爵夫人タチヤーナをめぐって人間の真実の愛を謳う近代ロシア最高の韻文小説の名訳。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fseigojp
25
金と暇があって、教養もある しかし女性しか当面の目標がない どっかで聞いた話だと思ったら 石原慎太郎の太陽の季節も、この系譜かもしれない 若いときは憧れるんだなあ こういうの この後、スペードの女王やベールギン物語を読んで、意外にコミカルな路線だったのかもと愚考2016/12/14
とまと
6
今日は『戦争と平和<下>』を読み進める予定だったのだがちょっと…と思い読み始めたら面白くて止まらず一気に読んでしまった。ロシア語やりたい。辞書が高くて躊躇しているのだが辞書は後回しにして入門編からやってしまおうか。「この作品を原語で読むためにだけロシア語を学んだとしても、その労は十二分に報いられるはずだと断言」(392頁)されたら尚更。バイロン『ドン・ジュアン』『チャイルド・ハロルド』が読みたい(読まねばと思いつつビビっている)。オペラも観たい。「余計者」についてはぜひとも考えていきたい。2012/07/11
みか
2
「近代ロシア文学の祖」であり、「神のような存在」と言われるプーシキン。どれほどのものだろう、とわくわくしながら読み始めました。『エヴゲーニイ・オネーギン』、冒頭から今まで読んだことのない不思議な文体(文章構成)に驚きました。小説と言うよりは、作者の「語り」を文章におこしたものという印象です。作者そのものが、こんなに前面に出てくる作品は、初めてでした。 『オネーギン』を読み始めて数日、この奇妙な文章にとても読めなくなり、ついに放棄してしまいました。ちょうど、タチヤーナがオネーギンに恋するあたりでした。2006/08/10
龍國竣/リュウゴク
1
この木村訳は、詩の形で書かれる。それによって、作者自身の心情の吐露が情熱に油を注ぎ、度々起きる脱線が、その蟠りを消化させる。著者も劇中の詩人と同じく決闘で死去している。しおらしい田舎の娘が都会で威厳ある妻へと変貌する様が劇的に描かれる。 2012/11/21
Нелли(ネリ)
0
チャイコフスキーのオペラのほうはよく知らない。物語自体はいつでもどこにでもありそうな恋愛もので、いろいろ悲劇的要素が盛り込まれてるのだが、形式のせいか妙に淡々としていて「悲劇」感のうすい不思議な感触がする2016/08/18
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