内容説明
明の太祖朱元璋を継いだ太祖の嫡孫建文帝と、帝位を簒奪して三代皇帝となった建文帝の叔父永楽帝との覇権を巡る争い、敗れて僧となり雲南の地をさまよう建文帝の姿を、雄大な叙事詩調で描いた傑作「運命」、宋朝以降、元、明、清の時代の美しい詩詞をちりばめた歌物語風小品十三篇から成る「幽情記」を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ハチアカデミー
3
評価不明 この作品の読み手として、自分がD評価であることしか分からなかった。漢文体で書かれているため文意が掴みにくく、また中国の歴史・漢詩の知識も無いため、文脈を補うこともできない。完敗。時間をかけ、一文一文をじっくり読まないことには… 解説の「気取りや気負いだけで、文学の魅力が感じ取られるわけはない」という言葉が鋭く突き刺さる。この作品を、自宅の書斎で数多の資料を片手にじっくり読む研究者に、もしくは、なにも参照せずともすっきりと理解できる、そんな読書人に、わたしはなりたい。2012/03/06
はるたろうQQ
2
中村隆英が大著「昭和史」のあとがきの最後に引用する。人は未来の事を知り得ないので各々の思惑を持って決断・行動し、偶然の出来事もあって、自分の力では如何ともし難い運命を形成する。策としては上等だが時既に遅しとの露伴の評価が時々出てくる。皇帝たる永楽帝も建文帝も運命に翻弄されて生き、その下で多くの人々も否応なく数奇な命が定まってしまう。道衍、方孝孺等の参謀は運命の非情を知りつつ行動をする。一転、幽情記では詩に纏わる物語、特に男女の情愛が主題となる。露伴の失敗した再婚生活の故に殊更夫婦や男女の愛を辿ったという。2025/11/26
eckhart88
1
A+:運命は文章のひとつの理想、叙事的文体、歴史的題材を扱った漢文脈の散文としての高度な達成。あまりの影響力に、昔小説を書いたときになんとなく使った用字用語を改めて調べたら全部この本から影響を受けていたということがあった。幽情記は佳品、この二つがセットになっているんだから贅沢だ、噛み締めるように読了。二十代前半の何事にも鬱屈としていた当時の心持ちが思い出される。
sugsyu
1
意味と取るとなると一文一文、崖をよじ登るような手強さだが、音や漢字の形態に同調して読み返してみると、意外に快く読み進められる。中国文学の本邦特異の受容、一時代の徒花として、この魅力が忘れられていくのは惜しい。2020/06/14
湯豆腐
0
漢字のトーテムポール。 https://yudoufu.hatenablog.com/entry/2021/10/21/1527292021/10/19
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