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内容説明
武勇すぐれた伊那丸主従であったが、その軍備も蟷螂の斧に以て、最後の砦、小太郎山も敵手に陥ちた。平和な緋おどし谷に乙女らは胡蝶の陣を組む。そして舞台は、甲斐から武蔵へ―。御岳山上の兵法大講会に、武田一党は如何なる波瀾を呼ぶか?この小説の楽しさの一つは、読者の空想を羽ばたかせることである。例えば、読者みずから竹童、蛾次郎とともに、鷲のクロに乗ることも…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
旗本多忙
11
京に上ることをやめた伊那丸主従は、帰還を決意して小太郎山に戻ることになった。その道中、家康の策謀にはまって都田川にて思わぬ事態に遭う‥‥。私は初巻から最終巻まで、しゃしゃり出て来てしつこくつきまとう、悪鬼のような蛾次郎に不快感を覚えた。正統な武門での試合である「兵法大講会」の場面は非常に面白く、想像してて臨場感溢れるようだった。締め括りは、同志一同のにこやかな顔が、いつまでも心に残るような感じで面白い作品でしたが、後一冊くらい続きがあったら更に面白いだろうなと感じた。2017/03/12
あんぱんな
3
続編が出来そうな終わり方。その後の天馬侠党の活躍、咲耶子はどうなったのか、蛾次郎はどうなったのか...気になる事はたくさん!これは想像することしか出来ないのが残念。時代小説は今まで読んでなかったので言い回し等読みにくいところはあったのですが、とても面白く読み進めるのが楽しかったです。2013/05/21
かやの
3
クライマックスの兵法大講会はほんとうにおもしろい。2007/10/17
すずな
2
伊那丸は賢いし龍太郎は大人だし、実は影の主人公では?と思わせる竹童もだし、魅力ある登場人物。続きが気になるのに消化不良感はない。だからこそ、なぜああなったか……舞台で新しい魅力が出たのは忍剣だけという……。2013/06/05
Hiroshi Takeshita
1
いわゆるジャンプ的なモノの元祖と言えるかも知れない。連載は結構過酷だったのかも知れず、辻褄は合わずとも、これまたいわゆるライブ感のなすがままなのである。やはりと言うか、いきなりの打ち切り的な終わりで、これは本当に、これで終わりなのだろうか?初期の作品でありながら、全集に最後の付け足し感。わかる様な気がする。でも、面白い。何故ならジャンプだから。映画に、ドラマに漫画に舞台にというのもうなづける。ちなみに蛾次郎はテレビドラマ版の俳優がやはり蛾次郎。成る程ねぇ!2020/01/21