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内容説明
源三位頼政は、殱滅された源氏一族にあって、異例といえるくらい、清盛の殊遇をうけた人であった。その彼が、何ゆえ76歳の高齢もかえりみず、平家打倒に起ちあがったか。そして戦いは断橋の悲痛な叫びを残して終ったが、これを境に反平家の勢力は、燎原の火の如く各地に蹶起する。―伊豆での旗挙げに1度は失敗した頼朝も、鎌倉に本拠を定めて都を窺う。つづいて木曽の義仲、挙兵!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちゃいろ子
43
6巻からだいぶ日がたってしまったが読み出すと楽しく、、。 とうとう頼朝が立つ。 永井路子氏の炎環と共に来年の大河の予習的な。 配役と比較しながら読むと、楽しいミーハーな私です。 陰険なイメージの頼朝を大泉洋さんというのも面白い。青木崇高さんの木曽義仲も楽しみだし、豪華俳優たちがどんな風にこの物語を演じるのか本当に楽しみ!って本の感想ではなくなってしまった(^_^;) 今まではお気に入りの小説の映画化は嫌派だったのだが、大河ファンになってからはちょっと考えが変わりましたー。年のせいもあるのかな(^_^;)2021/09/19
金吾
37
○頼政の挙兵・敗北後に遂に頼朝が挙兵します。ほぼ徒手空拳でありながら、敗北後に大勢力に成るところに時代の流れと公家化した平家に対する武家の不満が感じられます。面白くなってきました。2023/04/07
シュラフ
37
ついに平家打倒に向けた以仁王の令旨が各地の源氏武士あて発せられる。その文書は激しい。「東海、東山、北陸三道ノ諸国源氏、ナラビニ、群兵等ノ所ニ下ス 清盛法師、ナラビニ、従類叛逆ノ輩ヲ早々追討シテ応フベキ事」。以仁王は平家に追いつめられて自害するが、その意思は各地に伝わる。頼朝もこれに応じて挙兵して、緒戦の石橋山の戦いに手痛い敗北をするも、徐々に勢力を拡げていく。いったい平家一門はなにをやっているのだろうか。情報伝達がなかったわけではなく、その情報への感度が鈍すぎた。初期対応が早ければ鎮圧は可能だっただろう。2017/04/22
Kiyoshi Utsugi
30
七巻では、以仁王と源三位頼政による挙兵から始まって、源頼朝による伊豆での旗揚げ、その後石橋山の戦いで敗けた頼朝が真鶴から舟で安房に落ちていき、そこから再起を図り、富士川の戦い直前までを描いています。 最近、石橋山の戦いの古戦場や真鶴や湯河原の土肥実平館跡に行っていたので、「あぁ、ここのことか」と思いながら読んでいたら、あっという間でした。😀2021/08/15
崩紫サロメ
23
頼政の挙兵から頼朝の挙兵と、源氏の反撃が始まる巻。といってもどちらも失敗に終わり、頼政は死に、頼朝も一旦鎌倉に退いている。新平家らしいなあと思うのは、頼政が最後まで清盛に恩義と好意を感じていて、それでも背かざるを得ない、というところ。これ、清盛を好意的に描きたいけど、結局平家を滅ぼさねばならない作者の苦悩が投影されているのかな、と思ったり。頼朝と政子は相変わらずいちゃいちゃしているというか何というか、この二人のターンだけ何か空気違いますね?(笑)2019/10/12