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内容説明
乱世の姦雄を自称し、天下を席捲した曹操も、関羽には弱かった。いかな好遇をもってしても、関羽の心を翻すことはできなかった。故主玄徳を慕って、千里をひた走る関羽。そして劇的な再会。その頃、夭折した兄孫策の跡を継いだ呉の孫権は、恵まれた自然と豊富な人材のもと、国力を拡充させていた。失意の人玄徳も、三顧の礼をもって孔明を迎えることができ、ようやく天下人として開眼する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
159
諸葛孔明 登場の巻である。 関羽と曹操の思い、孫権の台頭、袁紹と曹操の官渡の戦い、そして 三顧の礼 …三国志を彩る 英雄たちの登場が本当に楽しい …近づく 赤壁の戦い… 本格的に 三国の物語が 始まる、そんな印象の 巻だった。2020/02/05
chiru
127
いよいよレッドクリフ戦!胸が高鳴る四巻💥 巨万の兵力を誇る曹操軍VS劉備・孫権連合軍。三つ巴の決戦直前は配置転換の嵐。暗殺された孫策に代わり弟孫権が後を継ぎ、関羽は曹操から離れ、袁紹は曹操に破れ、ついに孔明が登場。劉備は幾多のすれ違いを経て、孔明,周瑜と同盟を結び知力と策略を武器に曹操軍に立ち向かう🔥 ついにここまで来たんだ…と感慨深い✨ 立役者となるヒーローは孔明の他にも‼ 質実剛健で兄貴肌の趙雲、前科持ちの最強軍師徐庶、剛毅果断な周瑜、政治的策略を打つ魯粛…まさに軍師なくして勝機なし💣 ★52020/06/27
茜
120
劉備は徐庶から諸葛孔明を教えてもらい三顧の礼をもって迎え入れる。三顧の礼という言葉は知っていたけれどこの古事が由来だったとは知りませんでした。まだまだ知らない事だらけですね^^;劉備が仁を貫こうとする様子を見て孔明が舌打ちする場面では苦笑してしまいました。これから劉備軍の快進撃が始まるのかな?今後の展開がワクワクします。2021/04/14
優希
90
物語も盛り上がってきたように思います。乱世の姦雄を自称する曹操が関羽には弱いことから、関羽がいかに劉備と契りを交わしているかがわかります。一方で孫権の国力補充に、玄徳の三頭の礼。まさに三国志の読みどころの1つと言えましょう。孔明も登場し、赤壁に集結する。クライマックスの序章と言ったところでしょうか。2018/12/18
けろりん
62
【月イチ吉川英治】古里に志をたててより二十年、劉備玄徳四十七歳。今なお黄土は黒風濁流に覆われ、皇帝、臣民、群雄皆その土に処を得る能わず。万民の苦悩に通じ、乱世を救う言葉に渇える玄徳は、隆中に臥龍ありとの報せを得て、未だ見ぬ大賢人に恋焦がれる。求めてやまぬのは、その声だ。真理だ。流浪の身、乏しい兵力ながら、兄弟の契りを結んだ関羽、張飛と再会し、趙雲子龍等、若き勇猛な諸将を幕下に加え、知略比肩する者なき諸葛亮孔明を軍師に迎え、玄徳の前途にようやく展望が拓ける。2021/04/17